其ノ二百八十七  雨の日はページをめくって
クラシック翻訳シリーズ第2弾。雰囲気に酔いしれるのは得意中の得意だ。
とにかくこの日は行かないと決めた。心置きなくタイイングできると思ったが、まあコーヒーでも飲むか。
前夜行くつもりで当日朝に中止を決定することはまれだ。一気にその日の予定も気持ちの張りも変わってしまう。自分の気持ちの落ち着き所を見つけるのには、そんなには時間はかからないが、見つかったらそこを目指して動き出す。
今回は(も?)タイイングはもちろんだが、本を読むのにも良さそうだ。
目覚まし二個体勢でのぞんだ五時起き。いつものようにワッパ型のアルミの弁当箱にごはんを詰めて、インサレーテッドのステンレスボトルに冷えた麦茶を入れ、最後にiPadで雨雲レーダーを確認する。
「!!」 な、なんと、これから向かおうとしているエリアは1時間当たり50mmを越える強力な雨雲がかかっているではないか!  更には昼過ぎまでは雨雲はかかったままの予報に、僕はこの日の釣行を断念するのにそう時間はかからなかった。ただその割に数分おきに雨雲レーダーを確認しては、どうだったか? この判断が正しかったのか? と自問自答していたのだが、それはまあ置いといて。
週の半ばに70mmの雨が降っていた。そしてこの土曜日にさらに増えている。
翌日はなにがなんでも行こうと決めているのでこの雨量はどうか?、と考えた。しかし、どう考えても行ってみないとわからないという結論は変わる事はなかった。
紙の本にiPadにKindle。読み方も様変わりしてきています(^_^;
数本巻いてまた本に戻る。
十数ページ読んでまたタイイングをする。それを繰り返すうち腹が減ってきた。間食はしないのでここは我慢。
すると空腹を感じないように脳が指示を出したのか、猛烈に眠たくなってきた。僕は抗う事も出来ずうとうとし始めた。
ハッとした。すごい音で目が覚めたのだ。10分くらい寝たのだろうか?
音は雨の音だった。明日大丈夫かなあと思いながら、僕はまたページをめくった。
iPadでレーダーをチェックしつつ、Kindle paperwhite で時代小説を読んだりしていた。
いやまて、買ってから表紙をめくっていない本もあるじゃないか。そっちも片づけないと。僕は机の横に積み上げて合った未読の本にも手を伸ばした。
例によって買うだけ買って読まない病がまた出ている。今回のように予定が大きく変わってぽっかり時間が空いた時でもないとなかなか読み始めない。一度読み出すとテンポよく読み進められるものだ。きっかけさえあればいいのだ。
本を読むエンジンがかかり、少し姿勢をかえるついでにフライを巻いたり。なんだか集中しているのかいないのかよくわからない感じでもあるが、こういうのが僕のリズムの掴み方になっている。