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其ノ三百三十四 小潮の海、小雨の島
何ヶ月ぶりかでフライロッドを振って。ぎくしゃくしてます。
確かあそこの防波堤だったはず。僕は車の中から目を凝らしてみたが、見つける事はできなかった。
この島は春先に来て以来。にゃんこ先生との再会は果たせなかった。先行して陣取る釣り人たちを横目にしつつ僕はその港をあとにした。 渓流が禁漁になってから、海に二度行ってキャス練を一度。フライロッドを持つのはこの日が四度目だった。
ソルトウォーターカディス!? 一度コツンと当たりが。
天気予報では晴れだったのに、朝から曇天。島に着いた時には寒風が吹き荒れていた。
しっかり着込んであとから暑くなるというパターンはこの日は当てはまらなかった。 にゃんこ先生の港から移動した別の港の長い防波堤。まずはここでやってみることにした。 このオフシーズンに導入した#8ロッド。まだこのロッドでは魚を釣っていない。 いい加減入魂しないとなあ。
ぽつり、と冷たいものが顔に当たった。雨が降ってきた。iPhoneで見るとこの島の周りだけ小さな雨雲がかかっていた。
強風に雨。そして手だれの釣り師夫妻のプレッシャー。この日は小潮で潮流はおとなしめ。僕が釣り自体久しぶりで勘所も戻りきっていないのにこの条件ではかなり難易度が高い。 キャスト時の衝撃でラインブレイクしたのを機に移動することにした。なんだか負けを認めて引き下がるみたいで気分はよくないが、別の場所に期待の持てるところがある。まずは一匹でも釣る方が優先順位は上だ。 それでも防波堤を戻る道すがら未練たらしくキャストを繰り返した。コツンとアタリがあった。それ一度きりだった。 ![]() ![]() ![]()
後続者のプレッシャー。なかなか手ごわい。
強風のフライフィッシングはむつかしいが、穏やかな日は釣れないのは経験済み。
#8で風に抗いながらキャストしているとご夫婦らしき二人連れがやってきて僕のすぐ手前で釣り支度を始めた。 ううむ、ずいぶん近いなあと思いつつ僕は僕でキャストを続けた。 ものの数分でその二人は小さなめばるを釣った。そしてすぐに海に投げ戻していた。 ・・・なんか、やりにくい。 ![]() ![]()
ソルトウォーターヘロンのドロッパーシステム。
港の端から端まで歩いてみたが・・・。
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期待のできる別の場所は最初の防波堤から歩いてすぐだが、道具をやりかえるかもしれないので車で移動した。
そこに釣り人はおらず、僕はここで実績のある#6ロッドとタイプlVの組み合わせにソルトウォーターヘロンのドロッパーシステムでやることにした。 一投目、ゴツンと手応え。メバルがきた。二投目でもう一匹。なんだコレは。さっきまでの釣りはいったいなんだったんだ? 我ながらこのシステムの威力を実感した。
そしてようやく、久っさびさのメバル様。
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この島だけが雨雲におおわれて。冷たい雨が降る(+_+)
#8から持ち帰ると#6のなんと華奢なことか。でも使い慣れたロッドと釣り慣れたシステムで安心感はある。
僕はなんだか物足りない感じがしていた。実績あるやり方と場所で小さなメバルを釣る。悪いことではない。しかしなんだか無難なところにこの日の着地地点を定めた感じではある。 最初に#8を持ってしまったから余計そう感じるのかもしれなかった。 少し雨足が強くなってきた。 |