其ノ三百三十五 水辺の近況  雪の川へ
この冬一番の積雪か〜?
ふと(←僕はこれが多い)、県北の大歳神社へ初詣でに行こう、と思い立った。
アメダス積雪量を見ると神社のあたりは1m! だ、大丈夫だろうか?(^_^;
ま、危険を感じる前に引き返そう。そう心に決めて出発した。

いつものインターチェンジを降りたらもう真っ白だった。
インター周辺でこれだけの積雪は初めて見たかも。
もはや中国地方の山とは思えぬ景色。
一気に標高を上げて行く。
行く先にはスキー場が何ヶ所かあるし集落もあるので除雪はしっかりしてある。
これならスタッドレスタイヤで走るのに一番適した路面状態だな。
そうやって安心すると危ないので気を抜かずにさらに北上した。
途中、前が見えないくらいに吹雪いてきたので、停まって休憩。収まるのを待つ事にした。
iPadでレーダーを見るとあと少しで雪雲は切れるようだった。
道に足跡はなく、年が明けてからこの神社へ来た人はいないのかと思ったが、どうやら足跡は地吹雪ですぐに消えてしまうようだ。風の流れで雪が吹きだまるところには自然の雪の小山ができていた。僕はそれを乗り越え神社へと向かった。
途中、本来なら田園地帯の真ん中を貫く小川があるのだが、この日は雪原に突然現れるひび割れのようにしか見えない。
きっとこの割れ目のどこかにアマゴがいるに違いないんだけど、探し当てられる訳もなかった。
冬のこの時期の気象がきびしいほど春になった時の生き物たちの生命が満ちあふれる様子とのギャップが大きくて、そういう季節がくることがにわかには信じられない。大切なことであり不思議なことだ。
果てなく続く雪原。どこまで行くの〜?
急に吹雪が収まった。なんだか呆気ないくらいに。
僕は再び車を発進させた。目的の神社のある集落まではもうすぐだ。
県境のほぼ最標高地点までくると強風が吹き荒れていた。
何年か前にもここでこういう状況にあった事があるが、雪が降っていない代わりに地吹雪がものすごい。
集落の観光センターの駐車場が除雪してあるのでそこに車を停めて僕は歩きだした。
アマゴは見れないにしても脈々と流れる川を見れただけでなんだか頼もしく思えた。
場所によっては水面が凍っている区間もあるが、水面下ではちゃんと水は流れている。
有史以来一度たりとも流れが止まった事などないのだから、考えてみればすごいことだ。
きびしい冬の降雪や低温、夏の渇水。それらを乗り越えて命を育んでいるのだと、地吹雪の中でしみじみ感じてしまった。
雪原の割れ目。流れは止めどなく。
そして大歳神社へ。今年もよろしくお願いしますm(_ _)m
大歳神社でお参りをし、帰路についた。途中また地吹雪で足止めをくらったが、なんとか風も落ち着いてきた。
除雪がしっかりしてあり走りやすい圧雪路だったとは言え、無事に走れてなにより。
あと我ながらこの積雪のエリアによくおもむけたものだと思った。
気持ちが負けるととてもじゃないがこんなところまで出掛けてこれない。
僕はそんな自分に気付いてなんだかうれしくなった。