其ノ四百七十四  小潮のフラットと新しい何某
前回のフラットでKさんと話す中で、フラットのチヌは11月初旬くらいまでは釣れると聞いた。
僕は9月いっぱいで釣れなくなるんだと思っていたから、朗報だった。
なにしろ8月に初めてフラットでロッドを振り、9月になってから初のキビレを釣ったのだから、ひと月ちょっとしか実践していないことになる。
今週は小潮で、干潮は朝、果たしてどうだろう?
日曜日のまったりの象徴、ラジオを聴きながらスパゲティと昼ビール(*^^*)
土曜日の朝、5時起きでフラットへ向かった。干潮が7時でその前からやってみる算段だ。
川に着くと大潮の時ほどの面積ではないが干潟が現れている。シーバス狙いのルアーマンがひとりすでに立ち込んでいた。
10月だから川の水もそれなりに冷たい。盛期のチヌと同じではないだろう。夏はテイリングが見られるとKさんは言っていた。僕はまだ見た事がない。
土曜日、小潮のフラット。毎週状況は大きく変わっている。
初めてキビレを釣った時、明らかに時合いだと感じた。その活性が小潮でも現れるかどうか。潮位も大潮ほど下がり切らないうちにまた満ち上がり始める訳だから、釣りの有効時間も短い。
僕は今のところフラットでのチヌ狙いはブラインドでやっている。Kさんはサイトオンリーだ。だからラインもフローティングラインで。僕はインターミディエイト。ブラインドの場合、それなりに水面の様子は観察するが、変化が見られなくてもキャストする。おのずと回数は増えるから、#6のロッドを振り続けることになり実際けっこう疲れる。それでそれなりに反応があればだが、なければなおのこと疲弊する。
グッとリトリーブする手が止められた。(引っ掛かった?)と思ったが引くと動く。ゴミかも知れない。
と、少しブルッと震えた。これは魚だ。僕はラインを全部巻き取ってリールファイトの体制を整えた。
リールを巻くとぐいぐいっと引いた。これはデカイ。
僕は興奮しつつ冷静に魚を寄せた。 「!?」
何コレ、チヌじゃない。何だか平べったい顔の魚がフライをくわえていた。
重量級潜水艦のごとし! ソルトの釣果では過去最大。
川を上がった。まだ10:00だった。帰りに釣り具屋へ寄って魚の写真を見せて、コチだと判明した。すごいすごいと言われたが、狙いの魚じゃないから微妙だ。
家に着き、片づけを終えて昼メシを食べながらラジオをつけた。この日から好きな番組のパーソナリティが新しい人になる。
ラジオを聴きつつ釣り具屋で買った新しいツールを出してみながら、僕はこの夏から始めた新しいフラットの釣りを思い返した。
瞬間接着剤専用ニードル。よくできてるわ。