F.F.雑感
其ノ五百七十三  迷走する島とメバル
2投目でゴツッときた。ラインを手繰ると海中でうねる魚体が見えてくる。
(これは幸先いい〜)と思うと同時に、もしかしてこれしか釣れなかったら、なんて最悪のことも考えて予防線は張っておく。
中くらいのまずまずのメバルを海に戻し、僕はキャストを続けた。予報は外れた(?)のか、風はほとんどなく気温も冷え込み過ぎずちょうどいい。
と言うことは、これから気温は上がるばっかりだから、確実に今より暑くなる。
先週の釣りも朝まづめの余韻がぎりぎり残る時間でメバルやカサゴが釣れた形だった。日中がまだ夏日になるような時期だと、朝夕のまづめの方が釣れる可能性は高い。潮流も良いにこした事はないが、日が高くなってからでも潮流が良いから釣れると思わない方がいい。そもそもカンカン照りで防波堤の釣りはキツすぎる。
まだチヌをやっていない頃は、渓流が終わったらメバルの良い時期まで待ちきれず10月から行っていた頃もあった。当時は意欲的に朝まづめ狙いでなんて思ってなかったから、出発が遅く現地に着く頃には日が高くなっていて、当然釣れないのでそのまま夕方まで粘ってなんとか釣る、なんてこともあった。いったい何時間、島に滞在してたんだ?
その理屈でいくと、この日はもう釣れない。夕方まで粘れば別だろうけど、その気は全くなく昼には帰る気満々だ。それに釣れてないこともないのでこれで納得しようかな、と思いながら何となく海面を眺めると、ぶくぶく泡立つ流れ藻が目についた。
フライもラインも取っ替え引っ替え。この日の混迷を物語る(^^;)
混沌の最後はアジ様。何とも慌ただしい一日でした(^_^;)
7時過ぎが満潮の中潮、僕が着くのはせいぜい下げ潮が始まる頃だろうけど、朝まづめに間に合えばきっと何かが起こる。
そう思って5時半起きで出てきたが、目的の島の港に着いたのは7時過ぎだった。すっかり明るくなっていて、まづめの時間とは言い難いが、少しでも活性のあるうちに釣っておこう。
シンキングラインに極小フライを結んでリトリーブ。またきた。今度は小さい。
曇りの朝だったが、わずかな晴れ間から日が差してきた。
あらめて見るといかにも暑そう。車に戻ると27度でした(^^;)
流れ藻のすぐ横でメバルがライズしていた。僕は大急ぎで別のロッドにフローティングラインのリールをセットした。
キャストしてを引くとすぐバシャっと海面がはじけ、小さいがメバルが掛かった。リリースしてすぐキャストするとまたバシャっ。
中小のメバルが入れ食いになった。良い型が掛かったがフックを振り外された。
流れ藻はとうにどこかに流れていったが、それでも釣れる。何がスイッチになっているのか?
しかし、10分そこそこで反応はあっさり止まった。
二週続けて凪の海。いずれ風にやられる日がくる。
朝イチメバルさん。やっぱり朝がいいよね〜。
早起きで釣りに行くと、昼飯はほぼ定刻になります。 
反応はほぼなくなってしまった。きっと最初の1匹は朝の時合いの終わりぎりぎりだったのだろう。来た時に数人いた釣り人も日がのぼるにつれて帰っていって、親子連れがひと組残っているだけだ。
まだ9時前で、これで帰るのはいくら何でも物足りない。でも釣れないままキャストを繰り返すのもこれまた不毛だ。
そしてさらに気温が上がってきた。こりゃあますます釣れんわ。
僕は釣り人の減った防波堤を行ったり来たりし始めた。
再びシンキングのロッドで探るが反応なし。何があってこうも状況が変わるのか。この港もメバルも迷走しているな〜。
少しするとまた海面で小さなライズが始まった。フローティングラインに変え、そして入れ食い。
日が高くなりすっかり暑い。いったいどうなっているのかと思っていると、またぱたっと止まった。
そろそろ仕舞いにしようと最後にシンキングラインで投げると、ドンっとアタリ。アジが掛かった。
ラインやフライを次々と変えて、どうやら迷走しているのは僕のようだった。
去年不発だった海面の釣り。今回は成立。