F.F.雑感
其ノ五百九十三  フラットの三日間
浚渫(しゅんせつ)工事は、河川に溜まった土砂の撤去で、大雨の災害に備えるためには必要な事だろう。特に去年は台風の影響でかなりの土砂が堆積したはずだ。
目当ての川の河口はその浚渫工事が始まっていた。工事の人に話を聞くと、七月いっぱいまでかかるという。
僕は急いで行き先を変えた。なにしろこの日は平日だ。道路の混み具合がわからない。

そして違う川を目指した僕は、案の定渋滞に巻き込まれた。
数匹のチヌは散っていない。僕はもう一度キャストした。ふと、ひょっとしたらフライが底から浮いているかもと思い、ラインを繰り出してラインのテンションを緩めた。下げ潮の流れはわりと勢いがある。さらにラインを繰り出し、フライが底に着底するイメージで。
頃合いを見て、ラインを少し手繰った。するとクッと引き込まれる感触。ロッドを立てるとグゥ〜っとロッドが曲がった。
(きたきたっ!)9ヶ月振りの強い引き、腕がつらい。僕は引きに耐える腕力がナマっているのを感じた。

結局この平日釣行は2匹釣った。途中から釣り仲間のKK君が合流した。彼は今年、家から徒歩圏内の市内河川で釣っている。
そして翌日の土曜日、僕はまた同じ川へ出掛けた。前日は最初の川の工事で行き先変更の時間ロスがあり、じっくりできなかったので、土曜日は潮位が高いうちから行ってやるつもりだった。
しかし、前日とうってかわって魚影が見えない。前日もこの日も大潮だった。同じ大潮でも一日違いで様子は変わる。二日連続で同じ川をやると、こういうことがありがちだ。
干潮まで釣ることはできず、やはり満ち上がりに賭けることになった。上げ潮が始まり、最初のチヌグループが入ってきた。こいつらが一番やる気がある。
そしてついにきた。ググーっとロッドが絞り込まれ、強い引きから良い型だとわかる。
突如チヌが突っ走った。プッという感触。(き、切れたっ!)
9ヶ月ぶりのフラットは、やはり広かった(^^;)
釣れてくれたキビレさん。前日の無念は晴らせました。えかった〜(^^;)
渋滞で遅れた時間はせいぜい十数分だろうが、着くまでは長く感じるものだ。
次の川に着くと、かなり海面は下がっていた。潮位を見るとあと1時間弱で干潮だ。 僕はすぐに河口のブレイクラインを目指した。じきにチヌたちが満ち上げの潮に乗って刺してくるはずだ。
だが途中で居残りのチヌが数匹群れているのを見つけた。これは投げてみなければ。
キャストし、下げ潮に乗せてスィングさせるが、フライを追う素振りは見せなかった。
久々の市内河川。超絶ハマる中、魚を求めて〜(>▽<;)
そのあと、上がってくるチヌにキャストするが食ってくれない。
少ししてTさんの姿が見えた。別の川から移動してきたようだ。
Tさんと話をし、それぞれ釣り再開。少し陽がかげってきたら、突然アタリがあった。よしっとラインを手繰ると呆気なく外れた。
それがなんと3回も続いた。僕は意気消沈した。過去にもこんな連続バラしをやらかしていた。
せっかく掛かったのに、何やってんだ、もう。
釣れずに帰る運転がつらかった。渋滞がそれに輪をかけた。
快調に2匹目を釣ったのだが・・・。
今季初チヌさん。ナイスファイトでした。
ローウォーターカニフライ、今年も高反応。
翌日曜日、さすがに三日連続行くのはためらわれた。
大潮も三日目、15時干潮だから行けないことはない。
ああでも、僕のことだから行ってしまうんだろう。わかっていた。
それならせめて近場でと、市内河川に向かった。家から9km、車で20分くらいで着く川だ。

Tさんからこの川がすごくハマるようになっていると聞いていた。全くその通りで、足を痛めないように気をつけて水際へ歩く。
できれば干潮前に釣りたい。
キャストとリトリーブを繰り返す。やや水が濁っていて魚影を見つけての釣りはむつかしい。
河口方向へくだって行くと、水面でもじりの波ができた。いる。
もじりの上流側へキャスト、フライとライン、ロッドを一直線にして小刻みにリトリーブ。
コツコツっと甘噛みが繰り返される。キビレの特徴あるアタリ。
そしてラインが手繰れなくなった。ロッドを立てると水面を魚体が割った。

この三日間、ともに最高気温は真夏日を記録した。
ズブズブゾーンを延々と歩く(^^;)。