F.F.雑感
其ノ五百九十六  梅雨の間隙をいく
今年の梅雨は梅雨らしくしっかり降る、と先週も思ったが、この週末もどっぷり雨予報だ。
渓流にしろフラットにしろ、何週間か行っていない。予報を見ると平日に一日だけ晴れの日がある。わかっていた。もうこの日しかない。
僕は会社の同僚たちにその晴れの日の午後からの有給休暇と釣行を宣言した。自分で迷いを生じさせず、覚悟を決めるためだ。
そしてその日、僕はフラットを目指した。最高気温は32度だと予報では言っていた。
岸際から中央方向に進むと下げ潮の流れが相当の勢いだった。その中にもチヌがいる。こんな強い流れに好んで入って何をしているんだろう? 見ていると時折、底の何かをついばんでいる。何かはわからないが食いっ気はあるようだ。
上流側に立ち、下流側の流れの中のチヌに向けてフライを送り込むようにする。だがフライかラインかが差しかかるとチヌは逃げてしまう。おそらくフライが底から浮いているのだろう。
釣友のTさんからも底を取る重要性を教えてもらっていた。僕はラインをフローティングからシンクティップに変えた。過去にも状況をみて意識してシンクティップに変えた時はたいてい釣っている。
ふと岸際の緩い流れを見ると、なんとテイリングしている。ラインを変えたばっかりなのに。シンクティップは魚を散らす。僕はそれでもソフトプレゼンテーションを心掛け、キャストした。
テイリングの主は逃げなかったが、フライには見向きもしなかった。そのまま小刻みにリトリーブするとテイリング主の横にいたチヌがスッと動いた。一瞬ラインが動かなくなったが、じわりと動き出した。掛かった。
激流脇のテイリング・・の横のチヌさん、釣れました(^^;)
そしてゆっくりする雨の週末、ホットサンドから(*^^*)
河口に着き、土手から見ると岸際の浅いあたりに魚影が並んでいるのが見える。
僕は急いで準備した。覚えたてのタールノットでフライを結ぶ・・結べ・・・ない。
家で練習した時はうまくいったのに、現場で出来ない。チヌが見えているから焦る。僕は諦めて今まで通りのクリンチノットでフライを結んだ。
まだ潮位は高いが岸際は膝下くらい。静かにチヌに近づきキャストすると、並んでいたチヌが一斉に散ってしまった。
夕暮れ、アツいチヌとの攻防も終わり〜(^^;)
下流への流れが強いので、チヌの引きも倍増される。散々走られてなんとかキャッチ。
また少し上流へ戻り上から流れに沿って群れのあたりに流しこむ。伸び切ってリトリーブ、ラインが止まる。またきた。二連続!
そしてさらに二投したあとまたきた。これはもうチヌの方になんらかのスイッチが入っているに違いない。
次のキャストでは投げてすぐひったくられた。これは、と思ったら案の定スレだった。それにしてもこの反応のすごさといったら。
このフライで全部を釣りました。
大潮からの中潮一日目、これが良かったのか。
GLXくん、がんばってます。 
河口近くまでくだった。先週の雨でかなり砂が入っていて、ふかふかの状態。ずっと立っているとだんだん埋まってくる。
河口あたりにチヌの群れはすでにいた。潮はまだ干潮くらいで満ち上がってきていないはずだ。居残りのチヌたちなのか。
流れは下流へ向けての方が満ち上がりよりも強く、それを遡るチヌの群れに向けて、上流側からフライを落とす。流れに沿って流しつつ、ラインが伸び切ったらリトリーブすると、ぐーっとラインが引っ張られた。
週末、予報通りかなりの雨が降っている。僕は予定通り家でまったり。食べて飲んで本や漫画を読んでと、ぐうたらに過ごした。
釣りの翌日は金曜日で仕事だったので、会社の同僚たちにチヌの入れ食いがすごかったと話した。興奮気味だったのは僕だけだけど。

それにしてもあのチヌの活性の高さはなんだったのか。釣れない時は何時間粘っても甘噛みすらないのに。
僕はチヌの引きを思い出し、次の釣りの手応えを妄想したが、急な強い雨音にそれは遮られた。
これまたパワフルチヌさん。リールの逆転が止まらない(>▽<;)