F.F.雑感
其ノ六百一  酸っぱい夏の終わり
薄曇りだし水面が細かく波立っていた。それでもかろうじて黒っぽい影が見える。
上流側に立ち、クロスにキャストする。クロスと言いつつほぼ下流側へ真っ直ぐに。ほんのわずかにスウィングさせるイメージ。
ラインが伸び切ったころ、ググッとラインが引っ張り込まれる。きたっ! ロッドを溜めてラインを引く。
バシャっと水面が割れたのは、僕が思っていたのとだいぶ違う場所だった。
(えっっ!? そこ?)
干潮からの満ち上がりで一向にチヌが上がってこない。干潮が日没だったから待っている間にどんどん暗くなる。前にもこういうことがあったが、その時は遅れてテイリングなどの活性が上がる状況に助けられた。この日はそういう状況にもなってくれず、僕は下げでは釣ったのになんだかモヤモヤした気分でフラットを後にした。

八月最後の週末は禁漁前に行っとこうと、渓流に向かった。水が少なく厳しい釣りになるのを覚悟してだったが、ほぼその通りの釣りになり、チビヤマメ数匹で今年の渓流が終わった。今年は六月まではいいペースで行っていたが、七月は1回、八月は二回の渓流行きだった。まとまった雨が降ればだが、降らないと暑すぎて行くきにならなかったのが正直なところだ。
下げのスウィングで、少し小ぶりなチヌさん(^^;)
またしても薄暗くなるまで粘ることになった。
引き波が見えた。チヌが上がり始めたのだ。波の進行方向へキャスト。チヌの鼻先を通過させ、それを繰り返しているとテイリングが見えた。投げると一発で食った。
その1匹から30分くらいの間に全部で4匹。あれだけ無反応だったのが、こんなにも変わるのか。

薄暗くなり、僕は河口から上がった。風が涼しい。夏が終わりに向かっていると感じた。
帰ったらHさんの梅干しをジンの炭酸割りに入れて飲もう。まだ残暑の夜によく合いそうだ。
満ち上がりの呆れる程の変わり様のチヌさん。
渓流禁漁後の週末、スーパーブルームーン大潮明けの中潮。最後の渓流の余韻に浸る間も無く、僕はフラットへ向かった。
干潮が日没、このパターンが多い。僕は前回下げ潮で釣れたので、できれば干潮まで待たずに下げで釣って勝負をつけたかった。

気温は変わらず暑いが曇りなので直射日光がないから楽に感じた。
二週間前、釣具屋でHさんから梅干しをもらった。Hさんの自家製だ。強烈にスッパい梅干しは猛暑の日に口にするのにピッタリだ。
強烈なスッパさの梅干しスパゲッティ(>・<)
30分後、また反応なしになった。時合いのなんと短いことよ(^^;)。
梅酒も美味しくいただきました。 
さらに浅いダウンクロスのスウィングで流すと、今度は目測通りの場所で掛かった。
そうそう見当外れの流し方はしないんだよ、チヌさん。
連続で二匹釣ったところで、どんどん潮が引いていくのに気がついた。中潮でも変化が早い。
魚影が見当たらなくなった。僕は河口ブレイクあたりまで移動したが、いつもなら途中で居残りチヌが見えるのに、この日残っているのはボラばかりだ。
そしてチヌの見当たらない満ち上がりが始まった。
13時過ぎにフラットに入り、下げ潮の流れでチヌを探したが、曇りで見えない。引き波で見当をつけてキャストしたが、反応はなかった。
4時間後、干潮が近づき僕はブレイク近くに移動していた。
下げ潮では見事に一度の反応もなかった。前回は2匹釣ったし潮も似ているのにこんなに違うのか。前回ダメだった満ち上がりに賭けるしかなくなった。
潮止まりになった。ずっと曇りだから魚影は見えない。引き波やもじりの波を待つしかなかった。

干潮が日没だと、やっぱり焦る釣りになる〜(>▽<;)