F.F.雑感
其ノ六百五  コウタケとひやおろし
歩いていると途切れずキノコが目についた。いろんな種類が顔を出している。
しばらく行くとTさんがヤマドリタケらしきキノコを見つけた。軸の太いボルチーニ系のキノコ。
残念ながら老菌だった。もう一週間早く来ていたら。しかしキノコはタイミングだ。先週はコウタケを採れたのだし。

斜面を登るのでかなり足にくる。日が高くなるにつれ、秋にさしかかった山と言ってもやっぱり暑い。かなり汗が出てきた。
前回のコウタケとマイタケは天日干ししている。数日曇りだったが週末に向かうに従い晴れの日が続いたので、そろそろいい感じになっている。最初はすっかりしぼんでこれで大丈夫だろうかと思った。しかしTさんに写真を見せると、干すとこんなもので戻せばまた元のようになるとのことだった。
これは乾燥ができたら梅干しをもらった釣具屋常連のHさんや会社で僕のキノコ採りの話に興味津々の同僚にお裾分けしよう。

前回のコウタケポイントに向かった。すぐに生えていた場所を目指し、いくつかのコウタケを見つけることができた。前回僕が見つけた場所をTさんと一緒に探すが、なかなか見当たらない。するとTさんが驚きの声を上げた。人の頭大くらいの大きさのコウタケがあったのだ。これまた残念ながら老菌で虫にかなり食われていたが、その大きさは圧倒的だった。
小ぶりのコウタケ。状態はかなりいい。
焼いてる時から香りが〜(*^^*)
準備ができ、改めて見るとこれはもう贅沢の極みだ。
コウタケは干すと旨みが凝縮されるが、採りたてすぐは強い香りや旨みは控えめだ。 でもいい歯応えで十分うまい。そしてひやおろし。
でも考えてみると、よくこの二つが同じ時期のものだったな。もしかしたらコウタケを楽しむためにひやおろしは今時期に市場に出るのでは?
いや、いくらなんでもそれは考えすぎか。と、僕はほろ酔いの頭でそんなことを考えていた。
そしてこの圧巻の収穫(^^;)
さらにその周辺を見て回ると、まだある。先ほどのデカ老菌ほどではないが、傘の直径が10cm以上ある軸もスカスカでないしっかりした物を見つけた。
明らかに前回より多くサイズも大きく、僕もTさんも大満足で帰路についた。

帰宅してコウタケの下処理。ざっと汚れを落とし、すぐに焼いて食べるのと天日干しするのを分けた。前回収穫分の天日干しはもう良さそうなので取り込み、今回のコウタケを網かごに入れた。
最後の晩餐、いや最後じゃないし(>▽<;)。
先週の日曜日に今年初のキノコ採りに行き、一週間後のこの土曜日にまたやってきた。今回はTさんと二人だ。
前回のコウタケを採った場所に残しておいた小さいやつが大きくなっているのを採る、という目論見だ。
その途中でTさんが気になっている場所に寄って、そこにヤマドリタケがあったのだ。旨みがすごいらしい。
今年は時期的にほぼ終わっているが、いつか採って食べてみたい。
キノコの場合、場所や時期のデータを蓄積すれば、同じ時期と潮でも時合いが変わるチヌよりも、結果を出す確率は高められそうだ。 ただ自然相手のことだから、外すこともある。それも含めて釣りやキノコの価値が高まっているような気がする。

さて、夜のメニュー。お酒は前の日に買っておいた雨後の月 ひやおろし(すでに少し飲んだが)がある。そのアテにコウタケ、Tさんのやり方を真似て、シンプルに素焼きにしポン酢で食べる。


窓から十五夜、そしてひやおろし。キノコ採り前夜。