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F.F.雑感
其ノ六百六 キノコ・アクティビティ
Tさんの姿を見失った。一瞬だけ不安が過ぎる。道のない山の中だから迷うのはヤバいと思う本能が自分の中に警鐘を鳴らした。
しかし、立ち止まるとTさんの付けている熊よけの鈴の音が聞こえ、僕はすぐに安堵した。 鈴の音のする方へ進むと、Tさんが声を出し手招きをしている。 そこへ行くと足元に立派なコウタケが生えていた。今週もあった。 先週に引き続き、この日もTさんとキノコ採りにやってきた。 僕たちは先週のコウタケポイントで再度収穫を狙っていた。 ただ、手だれのキノコ採りが入っても、その時ドンピシャに生えているとは限らない。生えるタイミングまで読む名人だったらドンピシャを狙えるかもしれないが、ほんの数日違うだけで採り頃かそうでないかが分かれる。
キノコはタイミングだとTSさんが言っていたが、全くそうだ。エリアを特定しさえしたら、あとはタイミング。そしてこの日はそれが当たったようだった。 またTさんが僕を呼んだ。行ってみると見事なコウタケが3,4個 固まって出ている。その規模のかたまりがさらに先に点在している。「これがシロですよ」とTさん。しかしTさんはよく見つける。探し出すコツを掴んでいるのだろう。 しっかりコウタケを収穫し、僕たちは稜線を超えて反対側の林道に降りた。ぐるっと回って車のところに戻るつもりだった。ところが行けども行けどもどうも離れていく方向に向かっているようだ。しかも標高も下がるばかり。僕たちは観念し来た道を戻った。林道に出たポイントを反対側に行くと割とすぐに車のところに出た。おかげで歩いた歩数は一気に伸びた。 好状態のコウタケ。見つけたら興奮ものです。
コウタケスパゲッティ。黒いけど、旨み香り、金賞です(*^^*)
狙い通り同じエリアでまたコウタケが育っていた。どれくらいのスピードで豆菌が食べ頃サイズに成長するのだろうか。
僕とTさんはさらに周辺を探した。前回は僕もいくつか見つけることができたが、この日はまだ見つけられていない。 少しすると、ようやく見つけた。その様子に気づいたTさんが「あった?」と言い、僕は「小さい」と嬉しくも残念な返事をした。 コウタケは開けた風通しの良いところに生える。そういう意味では見つけやすいが、それはほかのキノコ採りの人たちも同じだ。
今週もにやける収穫(^^;)
車で移動し、次にTさんが目をつけていた場所に着いた。
車の中で昼飯を食べ、その場所へ向かった。途中から急勾配になり僕たちは喘ぎながら斜面を登った。登りながらいくつか目についたキノコを手に取るが、食べれるものか判別がつかない。 平坦な場所よりは可能性がありそうだが、あまりにきつい勾配はちょっと進むだけで足が疲労で動かなくなってしまう。 さらに先がそれまでにも増して急勾配になっていた。Tさんは「引きかえそう」と言った。 欲むき出しの採取風景(>▽<;)。(写真撮影 Tさん)
この時期、キノコ争奪戦は熾烈を極める。TさんとTSさんが開拓してきたエリアは、やはりほかのキノコ採りの人も来るようで、エリア内の道路のなんでもないような場所に車が停まっている。
だがそのなんでもない場所は、斜面の向きや生えている木の植生を見ると、いかにもキノコが出そうな雰囲気なのだ。 手だれのキノコ採りの人がコウタケの生えているエリアに入り込んだら、すぐに見つけるだろう。 結局この日は最初のコウタケの収穫のみ。他の種類は少し後だ。
コウタケはよく採れた。実はそのエリアは結構足跡が残っていて、手だれの人たちがかなり来ていたことがうかがい知れる。 帰ってから天日干しの下処理をして、一部は素焼きですぐ食べた。 翌日の昼飯には前回のコウタケ天日干しを戻してスパゲッティに。 旨みが口の中に広がる。 前の日の歩数は17,000歩を超えていた。でもその高アクティビティは、普段以上に食べることで帳消しになりそうだ。
Tさんも収穫。こういう時、僕らはなぜか小声になります(^^;)
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