F.F.雑感
其ノ六百七十三  秋が近づく山へ
次はキノコ。まだ残暑の山だから夏のキノコの可能性はある。
移動中にTさんが運転しながらも「赤いやつが見えた!」と叫んだ。戻るとそこにはタマゴタケが。なんと目がいいな〜。
さらに移動し本命のキノコポイントへ。山道沿いのそこはキノコの気配が濃厚だった。
タイミング的に遅かったやつがあちこちに。どれも虫に食われていたり労菌だったり。
よっぽど生えてすぐのドンピシャのタイミングでないと、いい状態のものの収穫は難しい。
Tさんとの山の恵み巡りは七月初旬にポルチーニを採りに行って以来だ。七月初旬というのも過去にない早い時期だった。Tさんのポルチーニ収穫の一報を受け、さらに採れないかと二人で行ったのだが、結果はポルチーニ一個だけだった。
それから約二ヶ月、ヤマメ・ゴギとチヌに行き続けていたが、前回の50cmチヌで夏の釣りもひと段落した。SNSでもキノコの投稿が目立ち始め、さらには初夏に渓流で何度も採ったミズ(ウワバミソウ)がコブ(ムカゴ)を付ける時期でもあり、キノコ&ミズコブ収穫を狙ってのこの週末の山行きとなった。まだブトが寄ってくるが僕もTさんも防虫生地の帽子でそれを防げた。
ミズのムカゴは盆を過ぎた頃から葉の付け根がコブ状に膨らむものだが、次の新芽のための栄養源となるタンパク質が蓄えられて膨らむようだ。それをお浸しや醤油漬けなどにするとうまいという。
ポルチーニ(ヤマドリタケモドキ)、来ました〜(*^^*)
これがミズのムカゴ。集めるには根気が要ります(^^;)
「おお、涼しい!」 ウィンドウガラスを下げ手を外に出したTさんが言った。
朝の山間部の気温は20度を下回っている。市内でも朝は22度で外に出ただけで冷んやりした。
目当ての弁当屋はまだだった。確か8時に買ったことがあるのに、9時からだと言われた。残念。
目的の場所に着き、車から降りるとやはりブトが目の前にまとわりつき始めた。
早速Tさんが帽子をかぶると、少しして、「寄ってこない」と言った。効果を体感したようだ。
ミズコブとポルチーニ。豪華なおつまみ(*^^*)
最初にミズの生える谷に入った。初夏に入った時は林道沿いの渓流でゴギを釣り、帰りにミズを採って帰るというパターンだった。
その後、近くに来たついでにムカゴの様子を見ていたが、一向に膨らむ気配はなかった。
一抹の不安を抱えて谷に入ってみると、膨らんでいる。葉の付け根が小豆色に(ちょうど小豆が付いているかのように)ぷっくりと。大きさはばらつきがあるが、そうか、こういうふうになるのか。
僕とTさんは無言でミズコブを採り始めた。
なんとか下処理完了(^^;)
ミズの谷のツリフネソウ。久々に見ました。
ポルチーニを虫出し中。 
僕もヤマドリタケモドキを分けてもらい、ミズコブと一緒に持って帰った。
山歩きで少しぬくもったが、ほぼ快適な涼しさだった。山は着実に秋に向かっている。でも町に戻るとまだまだ夏で普通に暑い。

ミズコブは下処理しお浸しに。ヤマドリタケモドキは虫出しをしてソテーで。日本酒の極上のつまみの出来上がりだ。
秋を目前にして夏の終わりに山で採った夏の名残の恵み。美味しく頂こう。
Tさんのキノコを見つける目は相変わらずすごく、そのあとヤマドリタケモドキを続けて見つけた。やはり虫に食われていた物だったりしたが、いくつかはいけそうなやつもあった。
それにしてもポルチーニ、ヤマドリタケモドキはこちらの地方でもちゃんと出るんだ。
ネットで収穫の投稿をずいぶん見たが、たくさん採れる地域の話でこちらでは無理なんだろうと思っていた。
あとはとにかくタイミングなんだな〜。
まだ木々は青く、涼しい道のりも徐々に暑くなってきた(^^;)