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話は11年前にさかのぼる。
このサイトを始めた年、2002年の漁期最終日の8月31日は土曜日だった。 そして運悪く釣行エリアは台風の進路にあたり、その日の午後には暴風圏に入ってしまうタイミングだった。 釣りができるのかどうか? 最後に満足のいく魚が釣れるのかどうか? 台風の影響もどれだけあるか? 先行きの見えない不安が頭から離れなかった。 そんな状況でも行ってしまうのはやっぱり最終日に特別な気持ちがあるからだ。
今年も最終日が土曜日なのはカレンダーを見ればわかること。
でも台風の接近までもがその日に重なるだなんて、カレンダーだけではわかるはずがない。 数日前から台風の動向に週末の釣行がどうなるのかとやきもきしつつ、それでも最終日なのだから行くしかないと腹をくくっていた。 勢力や速度が一進一退で、台風到達の予測時刻が日に日に変わって来つつあった。 しかし台風は当初の予測より縮小し遅れそうだとわかって、僕は最終釣行に俄然やる気が出てきていた。
木々の間から見える濁りと増水・・、終わっとる(>_<)
11年前よりも情報の入手が容易になったからと言って、釣りが有利になった訳ではない。
唐突に思いついた。
濁りの出なさそうな川。ひょっとしてあそこなら。 僕は迷わなかった。ここまであちこち行くだけで時間は経ち、このあと行けてもあと一ヶ所。 その支流の入り口に車は停まっていなかった。そもそも今日はほかの釣り人を見ていない。 川に降りた。濁っていない! 釣りができる!! 僕はひとりでにやけてしまった。 水は当然多い。ポイントもだいぶ消えている。それでも僕はやる気満々。早速ビーズヘッドニンフを投じた。
ついに釣行ランチも最終回。初心に返ってマルちゃん正麺。
一発で釣れた。10cmにも満たないゴギ。
釣ってスマン。しかしビーズヘッドの爆発的な威力は次々と10cmゴギを釣り上げていく。こりゃアカン。 支流を奥へと進む。高い木々におおわれますます薄暗い。たしかそろそろ良いポイントがあったはずと思ったらやっぱり増水し過ぎてポイントが消えていた。 僕はどんどん進んだ。なんでこんなに元気なのかと思ったが、今日はほとんど歩いていない。バッテリーはフル充電のままなのだ。 「おっ!」と声をあげた。ドライフライを流したくなる場所があった。まさか出番があるとは思っていなかったがこうなったらやってみる。岩のふちを沿うように流すとぼそっと出た。11cmのゴギだった。 せっかくドライを結んだのだからもう少し、あともう少し。そうこうしているうちに中くらいの滝のところに着いた。僕は息を飲んだ。 そこだけこの日の天気と無関係のように平穏な小プールがあった。一投目、一番いいところに投げなければ。 果たしてそこが一番のポイントだったかどうか。しかしゴギは着水と同時にくいついていた。 11年前の土曜日、暴風圏にさしかかった頃ようやく良型のアマゴを釣り、大急ぎでそのエリアを離脱した。 今回はその心配はないが、ひやひやさせられる最終日なのは同じだなと、僕はゴギを見送りながら思った。
ルーフを叩く雨音は釣りの気力さえも奪い去っていく。
最初の川はロッドを振ることなく断念。次の川へと移動した。そこがダメなら次は・・・と思い描くと、これは先週と同じところをまわることになると気が付いた。
確かに増水はしているが先週よりはましだ。それでも濁りはひどい。先週まわった川で濁らなそうなところはと考えたが、行ってみなくちゃわからんな。最初の川に行く途中に寄った里の商店の人の話だとゆうべはそんなには降っていないとのことだった。 二ヶ所川を見てまわった。どちらも見事に濁っていた。さらに雨足も強まり、台風が残していった雨雲が重くのしかかってくるようだ。あたりはどんどん薄暗くなってきていた。 どうするか? まず釣りが成立する場所がない。ロッドを振るところまでいかないのだから、どうにもならない状況だ。 まだ別の日にチャンスがあるならさっさと帰るが(というかそうならこんな日に来ていないが)、最終日はやっぱり特別だった。
木々の枝葉の傘で雨は落ちてこなかったが、
ずっと降っていたようだ。
雷が鳴らなくなった。どうにか遠ざかってくれたようだ。雨は降り続いているが僕は釣りを始めることにしてもう一度川を見てみた。
「!!」 なんと! 雷をやり過ごす1時間の間にさらに増水し濁りも濃くなっていた。 ああそうか、今はまだどんどん増水しつつある過程なのだ。先週ほどの増水ではないが先週より濁っているのは、先週の大雨の時にあちこちで土砂が出やすくなり、この日の雨であっさり濁ってしまっているということか。
鵜め〜。ゴギを食べたらいけんよo(`ω´*)o
よもやこの日、ドライフライの出番があるとは。
全てはこの一匹のために・・・σ(^_^;)
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だが自然はそうは甘くなかった。台風が遅れてもそれに刺激された前線や雨雲が降らせる雨は変わらない。
そして台風は朝には消滅したが、大雨だけが残る8月31日を迎えることになった。 目的の川に到着して一時間が過ぎた。僕は車の中から出れないままでいた。 到着直後から上空で雷が鳴り、雨足も強まっていた。川の様子はぎりぎり釣りができそうな状況で、すぐにでも始めようと思っていた矢先の雷鳴だった。 前夜、職場の飲み会があり、23時に帰宅して寝たのが0時。雨の音で起きたのが4時。そのあと二度寝で起きたのが9時だった。 雨雲レーダーを見ると9時から10時に釣行エリアの雨の止み間があった。それを逃してしまったのはいたしかたない。僕はそのあとの午後の雲の切れ間を狙って出撃したが、降雨よりも雷にさえぎられてしまっていた。 ![]() ![]() ![]()
ビーズヘッドまで持ち出し、とにかく一匹釣るまでは。
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