2015 釣乃記
第拾弐話  シエスタとヤマメの関係
話は二週間前にさかのぼる。
GWの期間の真っ只中の平日。仕事の方々には申し訳なかったが僕はずっと休みだったので、連休の釣りラッシュを避けて出掛けた。
入りたい所に先に車が停まってやしないかとか、どこかで前に誰か入らないかとか、絶対ない事もないが可能性としては低い。
そんな訳なのでなんとなくゆるい感じの釣り支度。
天気は快晴、例によって良すぎて釣りがむつかしいというやつだ。少しでも釣りになりそうな、上流域で釣り始めた。
カラカラ水車が回る。それだけでなんだか涼しい感じ。
最初の流れですぐ一匹。ちょっとホッとした。
そもそもこの日来た川は5月になってからは来た事がない。だいたいが解禁当初だけの川というイメージだった。
それが最近、釣友のTさんと訪れ僕単独でも来て、その時は派手に沈したのだが。
でも釣りそのものは悪くはなかった。それに他のいつもの川も良いと言う話が聞かれないのでどこへ行こうか? ということになる。
この川で生まれて育ったと信じたい魚体のきれいなヤマメだった。
釣りキチ三平でもこういうのありました。
今年は釣りにiPadを持ってきているので、食べ終わってあれこれ見ていたらなんだか眠たくなってきた。どこまでもゆるいこの日。
ちょっと横になるだけ、と自分に言い聞かせ僕は眠った。
それはきっとものの数分だったと思う。そして涼しい風が僕を起こした。

昼食が遅かったのでもうすぐ午後3時になろうとしていた。
僕は下流へ行こうと思った。昼寝ですっきりした頭がそう思い立たせた。
下流域は陽が傾くにつれ生気を帯びてきているように感じた。
見慣れない仕掛けでこんな場所で釣りか? というような表情で土手から農作業のおじさんが見ていた。
僕がカワムツを釣って見せると笑って作業に戻っていった。
虫が飛んでいる。カディスのようだ。やはりカワムツらしきライズが見える。
ここならいるはず、という一番のポイントへキャスト。ぼそっと出たその魚は#4、7'3"のバンブーロッドを大きく曲げた。
昼寝がもたらした一匹、と思いたいσ(^_^;)
正午近く。開けた流れではさすがに。。。
予想通りこの日はほかの釣り人を見ない。一匹釣ったし緊張感はないなー、さすがに。
気を抜いてコケて沈したらヤバいのでそこは気を引き締める。

陰の多い区間を意識して入渓したが、時間の経過とともに陰は消えていた。
気温はぐいぐい上がっているようで、でも水はまだ冷たい。水温よりもこの強い日ざしがやっかいだ。ヤマメが神経質になるのもわかる気がする。
つるりときれいなヤマメが釣れました。
入渓直後の一匹以降、昼近くになってもなんの反応もない。あんまりだな、こりゃ。
一度車に戻った。どうするか? ま、まずは腹ごしらえだ。川沿いにあるキャンプ施設の炊事棟を借りる事にした。昼食といっても弁当箱にごはんとおかずを詰めて持ってきただけ。今回は火器を使わずシンプルに。
連休の平日、昼食も気合いは入れずにと思ったが、まさかこのゆるい感じが釣りそのものにも影響していたのか? いやそんなことはない。釣りはきっちりとやって、それで釣れないのだ。それにむしろゆるい時の方が出が良かったりすることもある。そんな状況ででも出ないのは、やっぱりヤマメが居ないかこの快晴で反応が鈍っているか、だろう。
新しい相棒との釣りもだいぶ慣れて。
お、ここでもお昼寝のカエル様が。