2015 釣乃記
第九話  葦際のライズ、瀬の釣り
僕たちは次々と場所を変えた。しかし・・・。
僕とM川氏が川を観察していると、白いステーションワゴンが土手の道に入ってきた。
「やっぱりじゃ」とM川氏は言った。
M川氏のロッドのユーザーであり僕も知っている人だった。
プチ釣り談義が始まる。お互いここまで釣果は出ていなかった。
川の水は落ち着いていたが、少し水位は落ち過ぎのようで、それに快晴が加わると渓魚の警戒心は一気に高まる。
僕たちは観察していたポイントへ降りワゴンの人は別の支流へと向かった。
天気はいい・・・、いや良すぎる。
五ヶ所目のポイントを離れた僕たちは行き先に迷った。
いつものインターチェンジを降りて、手前から順に期待出来る場所に竿を出してきたが、どこも反応がないままだった。
新緑が芽吹き始め一番良い時期のはずだが、釣りとなるともう日中はかなり厳しい。
M川氏が山越えを提案した。水系を変えようと言うのだ。僕もここまできたらそうするしかないように思えた。
ちょうどお昼。一番釣れない時間帯だった。
そしてまたこの川に・・。(写真提供 M川氏)
下流側に入った僕にM川氏が合図をよこした。
「おるで。よう出る」とM川氏は釣ったばかりの良型ヤマメの写真を撮り始めた。
時刻は16:00。ヤマメにようやく捕食スイッチが入ったようだ。僕もすぐにヤマメをキャッチ。

「この川に救われたのう。久しぶりの瀬の釣りじゃ」とM川氏。
いやしかし、この時期でこんなにも苦戦するようになってしまったことを危惧してしまう。
でも今はとにかく釣ろう。
葦際でヤマメがライズを始めていた。
こちらの水系でも良い場所だけを攻める作戦だ。僕は今季はこの川を重点的に攻めていたので、様子がわかる。思い浮かぶ場所へM川氏を案内した。
しかし、まだ昼食後すぐだし陽は高い。開けた場所よりも谷になっているような所を選んだ。

まず入った場所で早速ライズに遭遇。日中でもやる気のあるヤマメが何かを捕食している。
まず僕がキャスト。何度か流すが出ない。そのうちに引っ掛けてしまった。M川氏に変わる。僕が荒らしているので反応はなかった。
葦に守られたヤマメたちが次々と。
午後の川でも各地を転々と。
次の場所へ。そこもライズの期待出来るポイントではあるが、いかんせん時期が違う。
それでも叩けば何かが起きると期待したが、ハヤすら突っついてくることはなかった。
ちょっと行き場を失った感が出てきた。時間はやや過ぎて多少有利になってきつつあるが。
僕はM川氏に別の場所を提案した。そこは前回僕が沈した川だった。沈こそしたが魚の出は悪くはなかった。
まさかこの日、こんな状況でまたあの場所へ行く事になろうとは。
M川氏との釣りはちょうど一年ぶりだった。去年の釣りは標高の高いエリアへの冒険釣行だったが、今回は勝手知ったる川をしかも良い所だけを攻めて行くスタイルにした。場所は実績のあるところばかりだが、とにかく天気が良すぎた。同じ場所でも曇りか小雨でも降ってくれていたらまた違った結果になっていたかもしれなかった。
山をひとつ越え、別の水系へと出た。まずは昼食。キャンプ場の炊事棟でお弁当を食べていると近隣の町から来たと言う山登り組の一行がやってきた。年配の方々だったがポットのお湯でコーヒーを淹れ、楽しくおしゃべりをされている。うーん、こういうのもなかなかいいなあ。僕たちはお弁当を食べ終え山登り組の方々と別れ、午後の部へと赴いた。
八重桜が見ごろ。昼食会場は華やか。
大型のストーンフライもご来場。