2015 釣乃記
第拾参話  里川の潜在
カッパを羽織ってもいいくらいだった。
単に曇っているというだけではなく、気温がだいぶ低い。この日この辺りは気温は夜の方が高く、僕が釣りにやってきた朝から徐々に下がり始め、午前10時には14度まで下がった。
ゴールデンウィークあたりから開けた里川での日中の釣りに限界を感じていたから、この日の天気は願ったり叶ったり。
勇んで流れに立ってみたが、そう話はうまくはいかなかった。
なんだかめっちゃ見られてるんですけどσ(^_^;)
やはりこの時間帯の下流域だったか。夕方に頼らず釣果をあげたいが、ボウズよりはましだ。
パタパタっと数匹のヤマメを釣った。今までがなんだったのか?というような反応の変わりようだ。
釣れ出すと寒さを感じなくなってきた。いや、確かに気温があがってきている気がする。

この時間帯にこの日の釣りがギュッと凝縮されていると、僕はそう思う事にした。
そろそろお終いにしようかと思った時、サッと陽が射し気が付くと青空も広がっていた。
納竿、日没、お疲れさまでした(-_^;)
お昼ご飯を食べ、ゆっくり休憩してから午後の部スタート。
天候はあまり変わらず、ランチ会場のすぐ横の流れでやってみる事にした。
カワムツが元気がいい。僕のドライフライに容赦なく食いついてくる。やめてほしいのだが。
イトトンボもたくさん飛んでいた。上流域ではよく見るがこの日の川は里の川だ。ここで羽化して上流へと移動するのかもしれない。
さて、僕はどこへ行こうか。
今年何度か逆転の釣りをもたらしてくれたのが、夕方の里川の下流域だった。
この日もそれに頼るしかないと思いつつあちこちをつついていた。
時刻は16時を回った。ただこの日の条件だと今までのようにはいかないかもしれない。それでももうほかに行くあてはない。

下流域でもイトトンボが群を成して飛んでいた。人を全く警戒しない。イトトンボをかわしてキャストした僕のフライに忘れかけていたヤマメの反応があった。
またまた夕方の一匹。やっぱりヤマメはいいな〜。
薄暗くなると糸が結べません(>▽<)
日ざしはなく気温も低い。それだけでヤマメの警戒心も解きほぐされる、なんていうのは全くの想像だが、いくらかは影響はあるのではないか?
しかし川は静まり返っていた。特に曇りや気温でどうこうなっている雰囲気はない。
虫はどうだろう? ハッチの時間帯が変わってくるとかはないのだろうか? 今、目の前に虫の飛翔は一切見られなかった。
これだと順当に晴れて気温が上がっているのとたいして変わらない気がしてきた。
ホントに寒い。体も縮こまってしまってます。
そもそも一度暑くなってきているのにまた寒くなったからと言って、そんな季節の逆行が釣りに良い結果をもたらすなんて、冷静に考えたら無いなという気がしてきた。やはり釣りは自然と密接な関係にあるのだから、自然も順当に移ろうことが望ましい。
それがおかしな異常気象になられたら、人間も水生昆虫もヤマメも調子が狂うに決まっている。こういう天気で活性が上がったことに出くわした事も過去にはあったが、高活性は別の理由だったかもしれないし。
なにより人間の活性が上がらない。僕は川を上がり早めの昼食を取る事にした。この日は袋麺を準備してきている。面倒でも持ってきといて良かった、とこの日ばかりは心底思った。
昼食は暖かいラーメンを。準備してきて良かった〜。
晩ごはんも麺(^_^; 高速のSAで、わさび丼と。