2021 釣乃記
第拾壱話  梅雨雲が来るまでに
小プールの岸に沿って流れがある。そこに乗せたフライにバシャっと出た。合わない。
すぐにフライを変えて流す。もう出ない。神経質そうなアマゴだ。それでも着く早々反応があったことは喜ばしい。時間がないから効率よく釣りをしたい。

おそらく近日中に梅雨入りが発表される。週間天気予報を見ても傘マークが並んでいる。
この日はちょうどお昼くらいから雨が降り始める予報だった。
結局このポイントも出ない。抜かれているのか。その先に続く浅い流れでまたチビが数匹。どうやらこの日のこの川はこのパターンのようだ。王道ポイントより見逃しそうな場所。ただこれだとサイズは期待できない。
霧雨のような雨が落ち始めた。予報の本降りまであと2時間くらいだ。また良さげなポイントが現れた。やっぱり投げないわけにはいかないなあと思い、キャスト。またバックで引っ掛かった。さっきはフライを回収できたが今度はダメだ。ティペットとフライを結び直し、もう一度キャスト。なんとまた引っ掛かった。なにやってるんだ、もう。
雹の時の小渓流ではこんなに引っ掛けたりしなかったのに。確かあの時も唐竹ロッドだったはず。
道の駅ニャンコ先生! 超警戒モードですね(^。^;)
小渓流と言いながら、まずまず流れは活発です。
流すとまたチビが釣れた。数は出るようになったんだがなあ。ひょっとしたら雨が徐々に強まってきたことも関係あるかもしれない。
次の流れも浅い。キャストするとバックでカツンっと感触。引っ掛って外れたようだ。そのままポイントへ。
落ちたフライは沈んでしまったが、何かうねったような気がした。ロッドをあおると掛かっている。浅いから水面でアマゴが暴れた。僕はなんとか本降りになる前に最後のアマゴをすくった。
雨で増水すれば色々気になるポイントがある。しかし雨がふり始める前の午前中のみを考えると、家から1時間ちょっとで行ける小渓流が頭に浮かんだ。
少し前に雹に降られた川も小さかったが、今回の川はその時と同じかもう少し小さい規模だ。市内から近いだけに釣り人が頻繁に入っているのは想像に難くない。それだと増水で魚が動いた時しかチャンスはない。

この川で去年まずまずのアマゴを釣った場所についた。
雨で終わるはずが、川から上がると止んでいる(^^;)
浅い流れでこの一匹。
慎重にフライを投じる。水面に変化なし。もう一度。変化なし。
誰もが攻めそうなポイントだから抜かれたっぽい。 期待の増水は僅かでもう少し水が多ければ出ない良型が出るかもしれなかった。
先へ進んだ。浅い流れが続く。ここでチビアマゴが数匹釣れた。誰も攻めていない流れのようだ。
その先に期待大のポイント。慎重にキャスト、のつもりがバックで引っ掛かった。
この日の唐竹のロッドはキャスティングは快適だが、ラインを出し過ぎるとすぐ引っ掛けてしまう。
もぐもぐタイム用にチェア新調。今回は出番なし(^^;)
新緑の枝が伸びて川が圧迫されている。
新緑の山と湿度を含んだ空。 
ああ、そうか。雹の時と同じくらいの川幅でも、木々の枝葉の伸びようが違う。より川の中央に向けて両岸から枝葉が伸びてきているのだ。同じ感覚でバックキャストしたら引っ掛かるわけだ。

ぱらぱらっと、少し粒がはっきりした雨が落ちてきた。とうとうこの辺りに雨雲がかかってきた。
正午まではあと30分くらいあるが、こうなったら本降りになるまでは粘ってみるしかない。
見ると先には浅い流れが続いていた。
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