其ノ二百九十四  ふたつの港の午後と朝
強風の海峡、ただいまド干潮(^O^;)
僕の会社にしては珍しくカレンダー通り三連休の週末。
初日は尾道のまつりの写真を撮りに出掛けると決めていたので、あと二日どうしよう。
地場プロ野球球団のCSのFSの勝ちっぷりに圧倒されつつ、まずは釣りかな。海かな。
尾道のまつりは暗くなってからが本番だったので帰宅が遅くなり、二日目の潮を見ると中途半端な時間帯ということもあり、出発は昼前に。
そして翌朝、やっぱりこうなりましたか。
切り替えがヘタと言うか、ま、そのままなのだが、ずるずると午後遅くまでやったが全く反応がなかった。
早く切り上げればいいものをそれができない。粘ってもダメだとスッとやめられるのは必要な事だが果たして良い事なのか?

もし可能性を求めるならまずは気温だ。先週の夜釣りでこりていたから夜のフライはやらないとしても、朝まずめなら。
しかも下げの潮流と重なっているではないか。
最初の島へ渡る橋の下、いつもは通過するだけだが、今回はここを探るつもりで寄った。
ちょうど干潮、それでも狭い海峡だから流れが速い。いくらか投げてみるがやっぱりむつかしそうだった。
連休中日ということもあり、観光の人たちも車も多い。
しばらく粘るが徐々に潮が上がってきて立つ場所がなくなってきたので島を移動する。
二つ目の島へ渡る橋のたもとの港。すでにけっこうな数の釣り人がきいていた。
う〜・・・ん、釣れないなあ。
こちらの海峡は最初のよりは広いがそれでも流れは速い。潮流は本土側へ向かって流れていた。
出がけに巻いてきたシラスパターン、snaphookを装着しメバルを狙う実績パターンとしての最有力フライだ。ラインも今回からタイプlVに変えているので、フライとラインの沈みもすこぶる良い。
しかし暑い。25〜6度だとは思うのだが日差しがきつく感じる。風も強くキャスティングには気を使う。
防波堤を行ったり来たり、港の端から端まで歩いて探った。そのうち僕の中には早々とあきらめムードが漂い始めた。
この天気、気温でこの時間帯の釣りはなかったな〜。こりゃあメバルなんて釣れるとは到底思えん。ルアーかワームか、そういうので釣っている人たちも釣れているふうではなかった。行きゃあなんとかなると、いつもの甘い考えだけで行動してのこの状況。釣りはプランを練るときから始まっているとわかっているのに。
ソルトウオーターゾンカー、ついに本領発揮。
暑くなってきたけど風強し。ジャケット脱いだり着たり。
間違いのないはずのポイントにメバルは居なかった。僕は朝のうちで気温が上がる前なら楽に釣れると高をくくっていた。
強風がキャスティングやリトリーブを妨げ、魚影も見えず、土曜日からの寝不足が急にずっしり体を重くしてきているようで、僕は急に戦意喪失気味になった。
長い防波堤の突端に出た。突端の先には小さなメバルが群れていた。ようやく見つけた。
早速キャスト。フライには自信がある。しかしメバルはなかなか反応してこなかった。
そしてコヤツがフライをひったくっていった。
同じフライで調子よく釣れた時もあったのになにが違うのか? メバルは一向に反応するそぶりを見せない。
風でフライラインが引きずられている。体もだるい。集中力も続かずフライを引っ掛けてしまった。
フライを変えるのにワレットを開くと去年巻いたソルトウオーターゾンカーが目に付いた。
やけになっている訳ではない。なにかピンと来た。
そうなるべくしてそうなった、とでも言いたくなる、そんなふうにアナハゼが食いついてきた。
終始強風の吹き荒れる中、体力的にはもう限界(^_^;
渓流の釣りでも起きた事のないような早起きをして、島へ向かった。最初の橋は前日と同じだが逆方向へ向かい、別の島へ渡る橋を目指した。
朝まづめをと思ったが、釣り場の港に到着した時に日が出たからもうまづめではない。ただの早朝だ。
そしてこの日も強風だった。前日よりひどい。去年もあったが暑さと風は体力を奪う。気温が上がらないうちはウィンドブレーカーを着ることにした。
ほかに釣り人はひとりだけ。連休最終日だし、じきにもっとやってくるだろう。確かこの港ではボウズはなかったはずだった。釣り場がフライと相性がいいのか、魚影が濃いのか。できればもっとほかの釣り場も開拓したいのだが、前日の不甲斐ない釣りがあるのでどうしても堅いところを選んでしまう。