FlyFishing Scramble

其ノ二百九十五　　アーリーフォール、　リトルライズ

山里の商店は賑わってます。

二週続けて海に行ったので、じゃあ山に行こう（←短絡）。
紅葉にはまだちょっと早いか。しかしこのところの冷え込みはかなりのものだったから、色づくのが早まるのは間違いなかろう。

インターチェンジを降りると厚い雲に覆われた風景はさわやかな秋という感じではなかった。雨が降ったようで、路面が濡れている。
いつもの店で天むすを買った。このあと数ヶ所、寄るところがある。

カブは買って帰るべきだった。

写真展やら海釣りやらが続いていたので、禁漁後釣行エリアに出向くのは初めてだった。
去年までは湖から遡上するサツキマスを見に来たりしていたが、今年はそれもしていない。
ペアリングを見る川に着いた。車から出ると外の空気がヒンヤリ感じられた。
小さな川は平水で、ヤマメの姿はなかった。もう時期的に遅いのかなあ。
僕は手早く昼食の用意をした。

次に立ち寄ったのは山里の商店。この日は山や川の様子を見つつ、ラーメンを作って天むすといっしょに食べて・・・という目論みだった。
あれこれ並ぶ野菜の中からホウレンソウを買った。これもラーメンに入れちゃおう。
次に名水の汲み場でボトルに水を詰める。これで一応準備は完了。目的の場所はヤマメのペアリングが見れる川だが、もう何年も見ていないからやってるかどうか？　時期もいつ頃だったかよく覚えていなかった。

やっぱりここの水を汲まなきゃあ。

この流れにヤマメは居るのか？

天むすとワンタンメン。汗かきましたσ(^_^;)

あれだけ暑い夏が呆気なく終わり、秋どころかもう寒いくらいになっていた。
町の気候も同様だった。なんだか一番気持ちのいい季節が飛ばされてしまっているなあ。
今年から開催されない釣り具屋の放流イベントは十一月の二週目に行われていた。紅葉もそのころが見頃だったように記憶している。
ならばまだだいぶ早い。それでも寒々としているのだから、季節の進行のバランスは変わってきているのかもしれない。

本当に小さな、でもはっきりしたライズリングが。

うんにゃ、ワサビもかあ～。

昼食を済ませ片づけて車に戻りながら、海で釣っていた先週までのことを思い返した。
あれだけにぎわう海に対して、山は極端にひっそりしている。
紅葉が本番の頃には盛り返してくるだろうから、今が一番閑散としているのかもしれない。
もう一度ペアリングのポイントをのぞいて見ると、小さなヤマメが見えた。ライズしている。
少しだけ、川の元気が見れた気がして、僕は心置きなく帰路につく事ができた。