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F.F.雑感
其ノ五百二 フラットに集う
集合場所に着くと、三名ががすでに来ていた。集合の時間までまだ30分はある。
それにしてもこの強風はどうだ。一番海側の場所だから吹きっさらし。風上に向かってはキャスティングはまず出来ない。 この日、コロナがまだ騒ぎになっていなかった今年一月の新年会のメンバーがほぼ再集結した。みんなで今年は終盤を迎えたチヌ釣りをしようと集まったのだ。
高い土手の上からだと川の様子がよく見える。魚が居ないことも。上流側へ歩くと風は気にならないレベルになった。しかし徐々に潮が引いてきて、強風の河口へ戻るしかなくなってきた。みんなも準備を始めていた。
河口から岸伝いに行くと更にフラットが広がっている。みんなに続いて僕もそちら側へ行ってみた。これも下見下見。 アサリの養殖をしているこの場所は養殖エリアには網が被せてある。そのエリアの広大さは地図アプリの航空写真でこの辺りを見るとよくわかる。いつもやっていた家から20分のフラットとはだいぶ雰囲気が違う。遠浅のフラットは独特の景観だ。 そしてほぼ干潮になった。みんな土手の上に上がり、潮が満ち始めてチヌが上がってくるのを見逃さないように観察している。 百戦錬磨の猛者たちが集まる。果たして強風と若潮に勝てるのか?
ゆっくり引いていく潮。苦戦の予感。
水面を目を凝らすと、魚影が・・・?
徐々に潮が満ちてきた。若潮だから干潮から様子が変化するのに随分時間がかかった。
仲間のひとりが口笛を吹いた。僕の立つ場所より上流側にチヌが上がっているらしい。 そちらへ向かおうとすると、僕のすぐ脇にチヌがやってきた。僕は固まって動けず、チヌは何もなかったように泳ぎ去った。 すっかり潮は満ち上がった。チヌはいたがずいぶん少なく、誰のロッドも曲がらなかった。 僕たちは川を上がった。なんだか心地よい疲れが残っていた。 戻る F.F. Topへ 次へ
去年何度か釣り場で会っていたKさん。今年は僕たちの住む市で海に注ぐ全河川でチヌを狙っていると言う。それで今年は姿を見かけなかったのか。
風は弱まる気配を見せなかった。そろそろか、とひとりまたひとりと釣り支度を整え、河口の浅い流れに降りて行った。 しばらくはやはり魚影も見えず反応もない。流石に時間の経過とともに少し疲れが出てきたのか、眠くなってきた。
僕は今回の場所は来たことがなかったので、来年の釣行の下見がてらで、釣れなくてもいいやって言うくらいのノリでお誘いを受けた。
他のメンバーもそろい、釣り談議や上流へ偵察など、思い思いに釣り可能な潮位までの時間を過ごした。 僕は早々にロッドをセットし、河口から上流方向へ歩いてみた。すぐに一匹のチヌを見つけたが、川へ降りる前にどこかへ行ってしまった。 フラットの先に、僕の住む町が見えている。家からここは見えないけど(^^;)
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