F.F.雑感
其ノ五百三  釣って終えたいフラット
フラットへの降り口から釣り人がやってきた。僕はすぐにN君だとわかった。盆の休みの時と同じパターンだ。
少し話してN君は上流側へ向かい、僕も釣りを続けた。

チヌを狙う釣り仲間との釣りの三日後、僕は有給をとって市内のフラットへ向かった。大潮で15時干潮は願ってもない好条件で、チヌ仲間との釣りの時のリベンジを果たすべく気合を入れての釣りだった。N君は前回の釣りは都合で不参加だった。
禁漁になってから(若干、なる前から)フラットのチヌ狙い熱が加速していた。常に週末の潮をチェックして、釣行とその前のタイイングをいつまでに、と言うのを頭の中でスケジューリングした。八月下旬キビレ、九月上旬マゴチ、九月中旬チヌと、ここまでは僕にしては順調だったが、そのあとが続かなかった。
タイイング、釣行、ロスト、タイイング・・・と、このサイクルが週末の度に続いた。果たしてこういう休日の消耗の仕方を続けいても良いものだろうか? ここに至ってあまりにも徒労感があり過ぎる気がしてきた。去年の方が状況は悪かったが、去年はまだ本格的に始めて最初の年というのもあって、心が折れることはなかった。
不穏な雰囲気の荒れ気味の雲とN君。
潮位は下がり、干潮、そして満ち上がり始めた。
チヌはけっこうな数が居た。微かにアタリの感触もあった。しかしその先につながらない。今回も釣れないのか? また徒労感が僕を包み始めた。一匹釣れさえすればそんなもの吹き飛ばせるのに。
「○□☆〜!!」何か声がした気がして振り向くと、土手を走る車から手を振る人が見えた。Nくんだった。あとでわかったが、彼は向こう岸で釣りをしていたのだ。
少し、徒労感が消えた気がした。今年のチヌ、釣って終わりにしたいな、と僕は思った。





 
下げ潮ではアタリがなく、期待の満ち上がりに賭けたが、岸際の溜まりに潜むチヌを散らすだけで終わってしまった。
N君も釣れず、土手に上がってあれこれ話をして別れた。
この日が九月の最後の日で、翌日から十月に突入する。確か去年は十月はマゴチとチビチヌは釣ったと記憶しているが。

週の真ん中が大潮なら週末もまだ潮はいいはず。潮が良いのに行かない手はないが、少し思うところもあった。
潮位は上がり、日は暮れる。帰ったらN君にメッセージを送ろう(^o^)
そして週末、僕はチヌ仲間釣行の時にKさんから教えてもらった場所へ行くつもりでいた。
前の日にすぐ巻けるチヌ用フライをざっと巻いた。ゴロタが多い場所だと聞いていたから、ある程度のロストは覚悟しておかなければと思ったからだ。

その場所、まだ潮位の高いうちに着いたが、川の岸際にはチヌが何匹も泳いでいた。テイリングもしている。僕は急いで前日タイイングのフライを結びキャストした。
夏の終わりの入道雲。こっちに雷を連れて来ないでね。
簡単バージョンのカニフライとベイトフライ。取り急ぎ(^^;)