F.F.雑感
其ノ五百四十  暴風の防波堤 開幕
予想通り、港だけでなく道路沿いのあちこちでエギングの人たちがロッドを振っている。
日曜日の朝だし前夜から夜通しやっている人もいるのだろう。
満潮は7時半ごろで、中潮だから潮流がある時も良いだろうが、それよりもまずめを優先させて朝5時おきで出発する予定だった。
アラームは5時だったが、それより先に寒くて目が覚めた。この日から西高東低の冬型の気圧配置になると言っていた。それもあってなかなか布団から出れず、結局朝まずめには間に合わなかった。
これも予想通り。
この日の前夜、九州のKSさんとアプリの音声通話で話をした。やっぱり九月上旬のチヌ以降、釣れなくなった話になったのだが、九州ではもう釣れないという。瀬戸内の温暖さが可能性を残していると言えなくもないが、しんどい時期である事に変わりはない。それにだんだんとメバルやアジが気になる時期になってきた。それでもKSさんと最初にメバルを釣りに行ったのは11月の中旬だったからあとひと月先だ。

水面には全く出てこなかった。僕はものの数投でシンキングラインに変えた。しかし沈めても反応がない。辺りはすっかり明るくなり、それと時を同じくして風が強まってきた。予報でも夜明け過ぎくらいから風速が強まるとなっていたのは見た。しかしこうもてきめんに強くなるとは。海面はさらに波が高くなり、魚影を探すどころではなくなってきた。
今回は時間的に海フライもぐもぐタイムは無理そうなので、メスティンは家で(^^;)。
これまた久々のアジ様。金色だから居付きだな。
目的の防波堤は2人連れの釣り人がやっていて、準備中の人が一人いた。それでも十分入るスペースはある。僕は手早く準備をして防波堤へ向かった。
準備中だった人は先に向かい、灯台のある側を陣取った。僕は最初からいた2人を挟んで反対側に荷物を置き、ロッドを継いだ。
海を見るとやや強い風で波が立っている。魚影は小さいのが浮いているくらいしか見えない。
まだ山の稜線から太陽が出ていない。まずはフローティングラインで水面を攻めてみる事にした。
ベラさん登場。ベラを釣ったのもずいぶん久しぶりのような。
とうとう僕の少し前に来た釣り人も帰ってしまい、この防波堤は僕1人だけになった。
その人がやっていた場所に移動。その先には灯台がある。灯台の陰は風が弱い。しかしキャスティングするには灯台からはラインが出るので風の影響はやっぱり受けてしまう。
それでも手元が風がないだけでだいぶ違う。僕は灯台から東側の海へキャスト。バックでうまくループが作れればフォワードは追い風でかっ飛んでいく。
強風でうさぎが跳ぶ。ラインは飛ばない(>▽<;)
明るくなるにつれ、荒れてくる。それは空からやってくる。
例によって2本のロッドを取っ替え引っ替え。 
最初からいた2人連れが帰り支度を始めた。おそらく夜通しやっていたのだろう。
僕は彼らが帰ったのを見計らい、その場所へ移動した。反応なしの状況を変えたい。まずめは逃したが、そろそろ満潮からの下げ潮が始まる頃でもある。
しかしその場所でも状況は変わらなかった。そして風がさらに強まってきた。スマホで確認すると、この場所は風速9mとなっている。大強風、strong gale と言われるレベルだ。こうなるともうお手上げ状態だ。
リトリーブするといきなりコツーンっときた。小さいアジが掛かっていた。この港で初めて釣った。
去年KSさんと秋冬にメバル釣りに来ていた時、周りの釣り人はアジが釣れておらずKSさんはこちらでは釣れないのではと思ったまま九州に帰ったのだった。
さらにチビアジ、そしてベラが釣れたあと、コッツーンっと小気味よいアタリがロッドを曲げた。KSさん、アジ釣れてますよ。
ラインを手繰りながら灯台の横に出るとまた強風にあおられ、ロッドに伝わる手応えが、風なのかアジ引きなのかわからなくなった。
去年は風男だなんて自分で言ってましたが、今年もそうなった(^o^;)