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連日30度越えの真夏日が続く。
猛暑日は35度以上といっても、きっと場所によってはそれに近い気温になっているに違いない。 猛暑に熱中症リスク、この劣悪な条件の中で釣りに行くのか? 果たして行って釣れるのか? 倒木が折り重なるその先のポイント。木をかわしてフライを投げてもクモの巣にひっかかる。 小さな沢の釣りはこれが延々と続く。それでもその先に好ポイントがあるのではないかという淡い期待が僕の足を進ませた。
朝からなんだか猛暑の予感。お手柔らかに〜。
今回は初めて入る沢を選んだ。
この季節は釣行先を考えるのに苦労する。一番暑い時に水も少なくて、でもなんとか釣りになる場所というと、本当に数えるくらいしかない。 なんとか新しい川を開拓しないといけない、と前日に例によってM川氏の工房で話しをしていた。 存在は知っていても釣りで入った事のない川はもちろんある。そのうちのひとつの川のことを言うと、M川氏は昔入ったことがあるようで、どんな感じの川かを教えてくれた。
ぬはは、カエル様、何を見ておられるのでしょう。
結構な落差の滝が現れた。下にはまずまずの滝つぼがある。
ここがこの沢一番のポイントかもしれない。 パラシュートをキャストする。一発で出た。ゴギだ。 ロッドを気持ちよく曲げてグイグイ引く。 (良かった。これで心置きなく引き返せる)と、思ったその瞬間、ゴギはいとも簡単にフックを振り切った。 「!」 なんというミス。せっかくの引き返せるチャンスだったのに。 この口惜しさ、このままでは帰れない。
細流での釣りは流れそのものよりも周囲の開け具合が影響大だ。
ゴギよ、僕を帰路につかせておくれσ(^_^;)
ゴギ釣り経験上、最上流部経に到達?
薮がかぶさっているポイントは、なんとかいいところにフライを落とせさえすればゴギが出た。
しかし攻めきれずあきらめる場所が多い。 (この調子じゃ先は期待できないか)と思い始めた時、薮の向こうが開けているのが見えた。 支流の入り口はやぶやぶで釣りなど出来そうもなくても、奥に行くと開けていることはよくある。 川自体は細く水も少なくなっているが、川筋の空間があっさり開けるとまたしてもその先に可能性を感じてしまうものだ。
開けて釣りやすいということはどういうことか? ある程度予想はついたが、全く予想通りだった。
開けた途端、ゴギは釣れなくなった。たまに大きめの溜まりの好ポイントがあるのだが、全く反応はない。 釣りやすいところは完全に抜かれている、ということか。それでも魚がいないとは考えられない。なんとか数匹小さいゴギは釣った。 しかしこの調子でこれから先、この川を釣りのぼって釣果が期待できるだろうか? すでにここまででもかなりの距離をのぼってきていた。
シューズの甲がぎりぎり沈む水深。ゴギはいるのか?
僕は上流を見た。
この先、まだ釣れるのだろうか? しかし、さすがにもう引き返さなければ。 ずっと頭に引っ掛かっていた事。M川氏がこの川筋には道がある、と言っていた。しかしここまでそれらしきものは見えなかった。 やはり川筋をまた戻るのか、とそう思った時、斜面の上の方に赤いテープが巻いてあるのが見えた。 「まさか?」 僕はテープめがけて斜面をよじ登った。 そこには確かに細い山道があった。僕はその場に立ち、やっと思い出したかのように深呼吸した。
ホ、ホントに最後まで道があるの? あるよね??
過去にも源流釣行とまではいかないまでも、それに近い釣りはしたことはある。ぐいぐい標高を上げていく川を岩をよじ登ってはキャストするような釣り。流れが細くなって釣りが出来なくなる場所まで詰めてはいないが、釣りのできるぎりぎりのあたりまではしている。
そんな釣りはたいていの場合、釣り上がったら登ってきた川筋をたどって戻る事になる。登る時は釣りをしながらだから苦にならないが帰りはしんどい。下りは滑りやすいし足も疲れてがくがくするし、こんなに登ったのかというくらいに入渓地点までが遠い。 そして今回もそのパターン。しかも知らない川なのだからこの先あとどれくらい釣りができるのかもわからない。 川筋は日光は届かないが、時間の経過とともに気温は上がってきた。風も吹かない。汗が目に入ってしみてポイントが見えない。どうするか? もう引き返した方がいいのではないか? ![]() ![]() ![]() ![]()
かなり水量が心細くなってきました。
なんと9年ぶり(!?)にベストをやめてバッグで釣行。
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滝を越えた。
すでに持ってきた飲み物はなくなった。汗が止まらない。 川の流れはかなり細くなった。川筋の空間は開けたままだ。 おもだったポイントだけにフライを落としながらひたすら上流へ歩いていく。 いったいどれくらい奥まで来ているのだろう。 この沢の本流との出会いの近くに車を停めて、そこから釣り上がり始めて3時間。 気持ちが焦るのをなんとかなだめつつ、僕はロッドを振った。 不意に、全く唐突に、そこそこのゴギが一匹釣れた。 ![]() ![]() |