2021 釣乃記
第拾参話  コーヒーと本流と支流
KSさんとチヌ狙いに行った翌日、今度はKSさんと本流ヤマメ狙いで北西部へ車を走らせた。
我ながらよく動く。
五月下旬、もう本流をやるにはかなり厳しい時期だ。しかし六月に入ると鮎が解禁になるので、それまでにやっておこうという思惑が僕たちにはあった。
今回はKSさんが通っているポイントで僕もチャレンジさせてもらう。と言ってもまずはライズを待つ。
早朝ではないが、十分早い。ところがにわかに風が強まってきた。
対岸のカワムツライズは定期的に起こっている。カゲロウはごくわずかだが風にあおられて姿を現す。KSさんを見るとキャスティングしている。こちらと同様に何か水面に変化があったのだろうか? 
KSさんがキャストしているなら僕もするか? 途端に我慢できなくなってきた。僕はリールからラインを引き出した。すると、カワムツライズの手前の流心でバシャっと水が弾けた。(ライズっ! ヤマメだ) なんとライズした。僕は少し後ずさりしながらラインを更に引き出した。(イケる。何しろライズしたんだから)
アップクロスでフライをキャスト。しかし風が追うように吹き、フライは真っ直ぐ上流に落ちた。流れをクロスしていない。
道の駅ニャンコ先生! 今回は近寄っても良いんですね(^。^;)
KSさんの淹れたコーヒー。外で飲むから美味さ倍。
この支流の最初の入渓場所は先行者がいて、いい場所はやられていた。ここをこの日の本命にしていなかったから、いい釣りを期待するのは虫が良かったか。
本流のライズは僕には取ることができなかった。KSさんはライズにも恵まれず、本流は惨敗で二人で支流にきたのだった。
本流あとにKSさんが淹れてくれたコーヒーが美味しく、少し元気が出たのもあって支流に来る気になった。
KSさんがロッドをあおった。良型のヤマメがKSさんのロッドを大きく曲げていた。
KSさんが狙いのポイントの前でライズを待つ体制に入った。
僕はその下流側の有望ポイントでライズを待つことにした。
実際、僕はどっぷりライズを待つ釣りなんてほとんどしない。とは言え、可能性のあるポイントならそれくらいの投資はしてもいいと思っていた。

どれくらい待ったか、着いてすぐに吹き始めた風はだんだん強風になってきた。
春先ならわかるがこの時期に強風にやられるとは思わなかった。
支流に着いたばかりの時。本命を決めるのが難しい(^^;)
支流で良型キャッチのKSさん。
風は細かな枯葉や木屑なども撒き散らす。そしてそれらが水面に落ちる。
対岸のゆるい流れに落ちた木屑などにライズした。カワムツっぽい。僕はまだ待つことにした。遠くに見えるKSさんも我慢強く待っている。
風は吹いたり止んだり。全く吹きやむということはなさそうだ。
そうしていると、クリーム色の虫が風に飛ばされて水面に落ちた。カゲロウだ。カゲロウはすぐ飛び立った。そうか、カゲロウがとび始めたのか。
僕も綺麗なヤマメさんは釣りました(^^;)
ちょっと天気良すぎ。そして風が・・・。
現在は動画に凝っているKSさん。 
峠を越えると反対側に流れる支流の上流部に出る。そのまま川沿いにくだり、流れがまあまあ大きくなったところで僕たちは入渓することにした。
15時近い。午前中に誰かが入っていることも考えられた。
KSさんも僕もロッドを低番手に変え、川に降りた。朝の本流は広くてそこまで感じなかったが、中規模支流だと増水しているのがよくわかる。
しばらくは反応はなかったが、徐々に陽が傾き、光量が落ちてきた頃から活性が上がってきた。
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