F.F.雑感
其ノ五百二十五  五月のフラットへ
五月のキビレさん。良い引きと充足感をありがとう(*^^*)
ひさしぶりにKSさんから連絡が来た。春に一緒に渓流に行って以来だったから、ひと月半くらいぶりだ。
次の渓流釣行のお誘いかと思えば、さにあらず、チヌのポイント情報の話だった。
釣り仲間ですでに釣っている人はいたが、条件は釣り可能だとしても、僕の気分的にはまだチヌには早いという感覚だ。
とはいえ、連絡がきた巡り合わせのようなものも感じるし、何より週末の手前が大潮だった。
コツコツっと感触があった。僕ははやる気持ちを抑えたが、フライに枯葉が引っかかっているのが見えてため息をついた。
少したつとククッと手応え。いや枯葉か? 枯葉だった。
もうすぐ干潮潮止まり。水際のくぼみに何匹か魚が居たが、すぐに泳ぎ去ってしまった。近づき方が難しい。

KSさんとチヌ狙いに行ったその二日前にも僕は釣りに来ていた。大潮の一日目、そしてスーパームーンで皆既月食の日でもあった。
月が再接近する日。何か起きそうな予感(^^;)
灼熱・・・とはほど遠い早期のフラット。
濡れたカニフライはシャープな印象。水中ではモワッとしているはず。
皆既月食は夜だが、月が再接近するスーパームーンの影響は明るいうちからあるはず。
それが魚たちにどう影響するかだが、なんでもない時よりは期待してしまうのは、釣り人の性だ。
クンクンっ、クーっっとロッドに反応、すぐに消えた。
(今のは甘噛みだったでしょー!!)僕はさすがに確信を得た。フライに枯葉も引っかかってない。
潮が海から上がり始めた。川からくだる流れと海からの潮流のせめぎあいが始まった。
KSさんが一人の釣り人に聞いたところ、並んだ釣り人たちはヒラメかシーバス狙いの人たちだそうだ。なんと、こういう場所でこういう釣りがあったのだと、住んでいながら全く知らなかった。
広大な干潟だが、等間隔で並んだ釣り師たちの間には入りづらく、KSさんが去年釣った時とは状況も違ったとのことなので、僕たちは場所を移動することにした。
KSさんが釣った時はこの場所はまだ川からの流れもはっきりしていて、こんなには干潟が広がっていなかったらしい。おそらくこの日のような潮位差の大きな大潮ではない潮の時だったのだろう。
僕たちは別の河川の河口へ向かった。去年僕が何度か釣りをやった場所だったが、釣ってはいない。そこもかなり干潟が広がり歩いて川の中央まで出られた。日没まで粘ったが、僕たちのロッドにはなんの魚信も伝わってこなかった。
リトリーブする手が止まった。ぶるぶるっとロッドの先が震えている。掛かった!!
僕はラインを巻きとりながら、本当に掛かるとは?と驚いていた。
ドラグを締めたり緩めたりしながら引きに耐えつつ、徐々に巻き取って寄せた。
ようやく水中の魚体が見えた。キビレだ。引きが強い。またのされるのを堪えて浅場に引き上げた。
僕は釣る気で来ていたのに釣れると思っていなかった。銀色の魚体と黄色のヒレを見て、ようやく本当に釣れたんだと思った。
金曜日、大潮の三日目。僕とKSさんでチヌ狙いに出かけた。干潮が17時だったので、15時に待ち合わせて、海へ向かった。
去年KSさんがかなり釣った湾。そこへ向かう。平日の午後だから主要な道路は渋滞していて、到着した時はかなり干潟が露出していた。
そして驚いたことにその干潟の先、海と接するあたりにはずらっと釣り人が立っているではないか。
(ここはそんな有名ポイントなのか?)
金曜日の夕暮れ。簡単にはいかない。