2022 釣乃記
第壱話  小雪舞う里の釣り
気温は5〜6度といったところ。風も少しある。空は厚い雲に覆われていた。
北部のこの辺りと場所は違うとはいえ、前日の市内が日中19度近くまで上がったとはとても思えない。

僕とM川氏は車を降り、川の様子をのぞき込んだ。やや少なめの水量ではあるが、大丈夫そうだ。河原には雪が積もり、そこには前日のものらしい足跡が残っていた。
そして、はらりはらりと空から小雪が落ちてきた。
不思議なもので一匹釣ったら手のかじかむ感じが薄れてきた。釣ったことによる気持ちの高まりが体に作用したのだろうか。
岩の際の深みのポイント、岩ギリギリを流すとアマゴが浮上してきたがフライを食い損なった。もう一度流すとまた出て今度は僕の合わせが早かった。振り返るとM川氏が「まだ出るで」と合図を送ってきた。
3投目、また出て今度は掛かった。最初釣ったアマゴよりまだ痩せていて、なんだか痛々しい。すぐにリリース。
その後M川氏が数匹釣り、僕は一匹バラして、この川を上がった。M川氏が連絡を取っていた釣り仲間のKさん夫婦が近くまで来ているらしいので、合流することになった。

Kさん夫婦と一緒に昼飯を食べることにして、下流側へ移動した。集落の中の川のそばの広場に車を停め、昼ごはん。食べてからひとしきり話をして、すっかりくつろいでしまった。それぞれの近況を話す中で、Kさんがフライの雑誌の表紙写真の場所を一発で正確に言い当てた。さすがだ〜。
北部の山はまだ冬の只中。
雪の上流部を行く。それにしても寒い日でした。
Kさん達と別れて僕たちはこの川の下流域でやってみた。
だがそこは全く魚の気配がなく、早々に引き上げて、少し上流側へ移動した。すると午前中はいなかった釣り人らしき車があちこちに停まっていて、入る場所がない。

M川氏と相談し、思い切って川を変えてみることにした。
だがその川もめぼしい場所は釣り師の車が停まっていて、ようやく入れた場所では、M川氏に一度反応があったっきり。
そして、また小雪が落ちてきた。



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M川氏と解禁後初釣行に行こうという話になったのは週の始めだった。解禁日の一日が火曜日だったので、すでに釣りに行った人たちの投稿でSNSは賑わっていた。
その投稿によると、二月末に降った雨が雪解けと合わさり本流は増水していたり、支流もあまりいい釣りができていないようだった。
M川氏のところには仲間からの情報も入ってきていて、その様子もSNSと同様の内容で、僕とM川氏はその辺の情報も参考にしつつ、県内のある支流上流部を釣行先に決めて日曜日のこの日の釣行になった。
里の下流域。魚の気配なし(^^;)
痩せてサビの残るアマゴさん。お疲れ様です(^^;)
水深は全体に浅い川なので、ドライを結んで釣り始めた。M川氏は去年のこの時期にこの川に来て、ドライでかなりの釣果を上げている。
二人で交互に釣り上がるが、しばらくは反応がないままだった。
前の日に入ったであろう雪に残る足跡の主。だからと言って流石にすっかり全部魚が抜かれたなんてことはないだろう。
またはらはらと小雪が落ちてきた。フライを変えようとしたが、指先がかじかんでうまく結べない。
道の駅ニャンコ先生、初釣りに行ってきました。
雪が残る上流部。冷えた空気が体を芯まで冷やす。
半沈みに変えた途端に・・・。 
M川氏がドライフライで小さいアマゴを掛けた。これで魚が居ることとドライでも釣れることがわかった。
M川氏は半沈みのパターンを使っているようなので、僕も半沈みに変えてみた。
やや浅い流れにキャスト。もそっとフライが沈んだように見えたので、合わすとぐんっと手応え。
なんとか今年も初釣行で一匹を手にできた。痩せてサビが残るアマゴだった。まだエサになる物がないのだろう。これからたくさん食べてください。