其ノ三百十四  冬へ向かう日
桜は満開、川は増水、そしてまた降り出した。
若干風邪気味かな〜っと感じて、すぐに薬を飲んだ。
どうやらこの土日の天気は荒れるみたいで、なんだか一年前の解禁後にもこんなことがあったような。
少しゆっくりしようかと思って土曜日を過ごした。
facebookをチェックしていたら、どうやら北部は吹雪いている場所もあるらしい。
これなら行かなくて正解だな、と思っていた。
facebookで釣り仲間が良型のヤマメを釣ったと投稿した。吹雪いたはずの土曜日の釣果だった。
気持ちがざわついた。日曜日、どうするか?
決断しきれないまま朝を迎えた。市内は天候は落ち着いていた。予報では北部はは悪い。しかし雨雲レーダーを見ると北部は昼前には雲が切れる予報だ。
ぐだぐだ考えても始まらない。僕は手早く荷物を準備し北部へ向かう事にした。
意を決して北部へ。しかし、阻むものが・・・。
高速に乗ってしばらく走ると行く先の山が白くなっているのが見えた。まだ市内からそう離れていない場所でだった。
その数分後、空は厚い雲に覆われ始めすぐに大粒の雨が降り始めた。
まだ雨雲が切れる時間ではないので焦る必要はない。僕はサービスエリアに入って情報を再確認した。目的の川の手前にあるライブカメラの画像を見た時、その雪の多さに唖然とした。しかも
高速は途中から冬タイヤ規制になっているではないか。もっと慎重に情報を見てから出発するべきだったか。しかし勢いで出掛けないとくじけてしまいそうだったし。
僕は予定よりかなり手前のインターチェンジで降りた。とてもライブカメラのある峠はノーマルタイヤに変えてしまった僕の車では越えられそうになかったからだ。
ギャラリーで一番かわいいこを連れて帰りました。
峠の手前の川の遊漁券も買っていたので、ここでなんとか竿を出そうとうろついた。
雨は止み晴れ間が見えたかと思うと、すぐにまたみぞれが落ち出し、強風が吹き荒れる。
いったいなんて天気だ。
何ヶ所か見て回るうち、僕がいくつか所有している風炎窯のギャラリーの前を通りかかった。
ちょうど風雨の激しい時だったので休憩がてら寄ってみた。
欲しい陶器がたくさんあったが、なぜかかわいらしい(?)置物を買った。
そして、予想通り市内に戻ったら晴れてた・・。
その後川を見るがどこも増水。外に出ると手がかじかむ寒さ、そしてまた風雨。
北側の山は白くなりその先にはライブカメラの峠がある。
昼過ぎまで待った。時折陽が射すと期待してしまうがすぐに降り出す。なにより川の荒れ具合もちょっと待ってどうこうなるものでもなさそうだった。
きっと次来る時は、峠の向こうに春が来ているはずだ。
僕はようやく帰る決心をした。