其ノ三百四十七  すでに夏の島で
久しぶりに島のラーメン、いただきます。(^人^)
四月に新車初遠出初釣りで瀬戸内海の島へ出向いた時、昨年フライの雑誌の記事を書くのに協力していただいた「まりちゃん」に記事の掲載誌を持っていった。
その時はちょうど忙しそうだったのですぐに帰ったのだが、感想とかも聞きたかったのでせんだってまたその島へと向かった。

「あ、見た事ある人だ」、とまりちゃん。ま、そういう印象くらいしかないよな、実際。
店に入っての第一声だった。僕は早速この島の名物ラーメンを注文した。
島猫様! 僕をお出迎え、ありがとうございます!
ここ数年の初釣りはこの島かもうひとつ隣の島で、というのが通例になっている。初冬から春前まではけっこうな回数来ていることになる。さらに渓流が解禁になってからも訪れるペースは減らないのだから、はたして年間何回来ているのだろうか。自宅からの距離と所要時間がちょうどいい遠出感を味合わせてくれるということもきっともあるのだろう。
週末に橋を渡り繋いでやってきた島でラーメン、そして路地猫様。町、そして日常から離れた島で普段出会わない出来事が次々と。その出会いに充実感を覚えているのは間違いない。
「雑誌、読んでみちゃったですか?」
「うん、よかったよ。書いてあることは本当のことだったし」
まりちゃんの言葉(評価?)に僕はホッとした。
「次はなに? いつ?」と矢継ぎ早に繰り出されるまりちゃんの宿題に僕は、がんばります、としか言えなかった。

冬にはメバルを釣りに来るこの島は、それだけではないつながりが僕の中にはある。
今年になってこの島へは何回来ているだろうか。釣りや島猫様に会うためや、そしていくつもの島を橋を渡り繋いで行くというシチュエーションが、僕の感度にうまく同期しているようだ。


まりちゃんを出て、島の集落の路地を歩いた。
およそ偶然とは思えないタイミングで、路地に島猫様がお出ましになった。
僕を少しも警戒する様子もなく、島猫様は僕の横を素通りしていった。しつこくシャッターを切る僕を多少はうっとおしく思ったかも知れなかったけど。
路地から港へ出てみた。薄曇りのこの日、それでも湿度と気温は高目。もう夏と言っても違和感は全くない。
港にも常連の島猫様がいた。ゆったりと島の時間が過ぎていくのに身を委ねておられるようだった。

まりちゃんの宿題、しっかりと心に留めています。誰かに何かを言われないと重い腰をあげないから。
海からの風が心地よい。島猫様とも名残惜しいが、そろそろまたあの忙しい日常に帰るとしようか。
港の島猫様。常に世の動向を懸案されているようです(^O^;)