2015 釣乃記
第拾六話  昼寝のあとのそんな釣り
この季節になると草木が生い茂っていて、よく知った川でない限りなかなか川へのアプローチ場所がわからない。
いなげな格好の男がうろうろしてたら村の方に不審がられる(^_^;
しかしこれまたよく出来たもので釣り人ならここらから入るかな〜って見当をつけてよく見るとぼうぼうの草地にかすかに踏み跡らしきものが。
やっぱりな、とそこを辿って行く。草ぼうぼうでも踏み跡があるとないとではだいぶ違う。
かくしてようやく見知らぬ川へ降りる事ができた。
様子がわからない川では、道をうろうろするばかり(; ゚×゚;)
川はみるみる細流となってきた。
今年はまだこんな狭い川ではロッドを振っていない。早速引っ掛かりまくる。
流れは細いが雰囲気は悪くはない。しかしヤマメは出てこなくなった。
ふと見上げると川沿いの道路に上がれそうな所が見えた。ここを逃すと次いつ上がれるかわからない。一旦上がってみる事にした。
やはり踏み跡がついている。ここは入退渓場所になっているようだ。薮を掻き分け道路に出るとその先の広場に車が停まっていた。
なんだかいい感じの流れです。
この場所から入ってみようと思った。最初に先行者の車が停まっていた場所だが、それから3〜4時間は経っている。
川へ降りる場所は例によってきっちりと踏み跡がついている。ここはよほどみんなが入るらしくきれいな道になっていた。
朝の先行者、そして日ごろから相当の入渓者がありそうな流れ。
期待はできそうもない。軽くやってダメなら帰ろうと思った。
渓相はいい。良さそうなポイントに流すと実に素直にドライフライをヤマメがくわえた。
苔むした石がごろごろ。これは期待できそう?
そもそもこの日はもう少し下流域に入るつもりだった。しかし例のごとく朝が弱い僕はそれでも懸命に早起きして出てきたのだが、案の定目当ての場所には釣り師らしき車が停まっていた。
もう一ヶ所ある、とそこへ急行するとそこにも別の車が。
川を変えるかどうするか迷ったが、この川のずっと上流はやったことがなかったからどうだろう?と思い、入って見ることにした。
入渓してすぐ釣れるの法則はここでも的中し、二匹に小ヤマメを釣ったがあとが続かなかった。
す〜ずしい〜。というか、寒いくらい。
たまにはビートルも花を愛でる?
久々のカゲロウ。ハッチは朝夕か。
この日最初に入りたかった場所まで戻り、昼飯を食べる事にした。食べたあとどうするか、考えていない。まずは空腹を満たす事が最優先だった。
食べると必然的に眠たくなる。僕としてはかんばった早起きの反動もあってすぐに寝てしまった。鳥のさえずり、川のせせらぎ、風にざわめく木々の枝葉。心地よい音は思いがけず僕を深い眠りに誘った。

どれくらい眠ったのか? けっこう本気寝だった。体がダルい。寝過ぎてしまったようだ。本気で寝るスイッチが入ると本当に眠らないと返って調子が狂う。もう別の川へ移動する気はなくなった。しかしこのまま帰るにはちょっと時間が早過ぎる。
生粋のヤマメが飛び出した。
釣れたので意表を突かれた。たまたまか? 上流へ向けて歩いた。水位はちょい多めのいい感じ。
またヤマメが出た。王道のポイントでだ。そしてまた。
なんだ? 今日はここに誰も入っていないかのような反応だ。
先行者はどういう釣りをしたんだろうか? あとから別の人が入っても釣れるように配慮しながらとか? だとすると相当の腕だな。
それとも時間の経過がもたらしたのか、はたまた僕の昼寝がよかったのか?
まるで警戒心もなくヤマメは釣れ続けた。
充電中・・・、再起動できるのか?σ(^_^;)