F.F.雑感
其ノ五百四  ラインを風に乗せて
一番目の港は見事に満員御礼だった。遅い出発だったからなのもあるが、釣り人は多い気がする。釣り人口が増えているのかも。
次の港が本命だったが、微妙にやりたい場所に近い釣り人が二組いる。これはダメだな。

初めての港へ向かった。まあまあ人はいるが、長い防波堤の半分から先の方は誰もいない。
僕はここでやると決めて勇んで防波堤へ向かった。そして先端側に釣り人がいない理由がわかった。物凄い強風だった。
午前中にフライを巻いた時、ついでにフライボックスの整理をした。ソルトは一つのボックスに全部を詰め込んでいたので、チヌとメバル・アジとを分けて、メバルアジ用は未使用のホイットレーを下ろした。メバルアジシーズンが始まるんだと、気持ちが切り替わる実感があった。
しかし最後にチヌを釣って今年のチヌを終えたい、という気持ちも捨て切れていない。これからあとの潮のいい週末を、チヌに使うかメバルに行くか。かなり悩ましいところだ。潮のタイミングと釣り場までの所要時間で決める場合もあるだろうけど、心情的にはその時釣りたい魚を釣りに行きたい。

初めての防波堤は一度のアタリもなく引き上げることにした。後から来た若い人達がすぐに僕のやっていた場所で釣り始めた。
メバルもチヌも同じフライボックスにごちゃ混ぜだったので、分けました(^^;)
数投でググッときた。やはり実績のある場所だけの事はある。まあまあサイズのメバルを水面まで上げると、ぽろっとバレた。水面で風にあおられたか。
先ほどの初めての防波堤は少しは風の止み間があったが、ここでは止み間は一切ない。

チビメバルを釣ったところで日没。夕まづめならひょっとしたらと思った。いつの間にか他の釣り人は帰っていた。
僕はほかに誰もいなくなった防波堤で、ラインを風に乗せ続けた。
週末が土曜日小潮、日曜日長潮、土曜日風強め、日曜日弱めという予報だった。
できれば土曜日に行きたいし、日曜の長潮はいただけない。強風とは言っても釣りが出来ん事はないだろうと、僕は土曜日を選んだ。
その土曜日、午前中でフライを巻いて昼前に出発というゆるいプランにした。満潮は午後3時でその前後をやる目論見だった。

強風の防波堤で、僕はキャスティングというよりラインを風になびかせて着水させるやり方をした。
よりによって、一番厳しい日に釣りに来たのかも。
かわいいメバル様にお付き合いいただきました(^^;)
日没後に賭けたのだが・・・。
一瞬風が止むことがあるが、すぐまた吹き荒れる。
もぐもぐタイムはコンビニおにぎり。これはこれでうまい。 
こうなるとこの近くだと、今年の渓流解禁前とシーズン中に行った港に行くしかない。人気の港だから釣り人が多いだろうと思って避けていた。
その港に着くと、意外なことに釣り人は二人いただけだった。
ここでもその理由はすぐわかった。先ほどの港よりも暴風だ。先行の釣り人も座り込んでロッドは振っていな買った。
さっきの港同様にキャスティングはできない。風に乗せてうまいことラインを伸ばしつつ着水させるしかない。