F.F.雑感
其ノ五百六  風が所為の釣り事情
防波堤で一段上に上がると、上がる前とは別世界の暴風だった。吹き付ける風は真正面からの向かい風。スマホで見ると風速7mとなっているが、まだ強い気がする。
ティペットが絡まないように慎重に構える。キャストはしない。僕はひたすら風が弱まるのを待った。必ずその時が来るはず。

この日が風が強いのはわかっていた。翌日の日曜日の方が穏やかなのも。潮は同じ小潮、当然日曜日の方が釣り人は多い。
(弱まった!)僕はすかさずキャストした。一応着いてすぐに投げてみていたのだが、それと比べても明らかに前へ飛ぶ。全然違う。まともに狙いのポイントに届いた。カウントしてリトリーブ。そしてまた風の止み間を待つ、を繰り返した。
強風でラインが引きずられたりもあるが、風以外は天気が良すぎる気がしてきた。雲が全く無い。ここまで快晴だと朝夕のまずめでないとこの季節のメバルやアジはむつかしいかもしれない。
ソルトをやり始めた最初の頃に行ったことのある、ここから近い港へ向かった。そこはグッと内側に入り込んだ湾で、風裏の模範のような場所だ。ただそういう場所は・・・と思った通り、釣り人はかなり多かった。みんな考えることは同じだった。

予想通り風はほとんどなかった。防波堤の一段上でも問題なくキャスティングできる。大半の釣り人は防波堤先端の方に偏っていた。僕は防波堤付け根川で探っていたが、唐突に流線型の魚の群れが現れた。(アジか?)僕は群れに向かってキャストした。魚は縦横無尽に泳ぎ回っている。興味は示すがフライに食いつかない。このフライはアジを釣った実績はある。いつまでこの群れが居てくれるか分からない。僕は焦った。
荒れた海上は海の中にも影響あるのですか? メバル様?(^^;)
彼らに対してのマナー云々もあるが、僕にチャンスはあった。しかし釣る事ができなかった。僕は大騒ぎの防波堤を後にした。さて、どうするかな。

結局最初の港に戻った。風は変わらず吹き荒れ、人はいない。風の止み間も最初より少ない。
しかし夕まずめになりメバルが釣れ、更にガツンと激しいアタリ。アジだったが引き上げる時風に煽られ外れて海に落ちた。
今日はサバもアジも縁がなかったな。風が更に強まってきた。
前々回の釣りでメバルを狙って出かけた時も同じようなことを考えたが、行ってみれば風は案外たいしたことはないかもしれない。日曜日に人が多いのは間違いない。
しかし風に関しては全く考えが甘かった。狙いは近目の島のこの時期に居着きのアジが釣れる港。やりたい場所は空いていたが、それもそのはず。真正面からの暴風はキャスティングで前に飛ばすのは不可能だった。
で、風の弱まりを待っている。徐々にだが、僕の風速に関する感度は上がってきていた。
そろそろメバルも快釣というのがあってほしい〜(>▽<;)
夕まずめがてきめんに効いてフライに食いつくメバル様。
手乗りメバル様(^^;)。
狙い通り、別の日みたいに風の穏やかな港だったが。
波が立っている。漁船も出ていない。
少しすると先端側で釣りをしていた中高生くらいの3人が帰ろうとして僕の横を覗いてきた。
「あー、魚おる〜」と叫んだかと思うと僕のすぐ横で釣りを始めた。カゴにコマセを詰めてサビキで釣る仕掛けだ。おそらく魚が集まってきて釣れ始めるのは時間の問題だろう。
そして彼らに魚が釣れ始めた。叫んではしゃぎ次々釣る彼らの横で僕はフライを投げ続けた。
彼らが釣っていくうち魚はサバだとわかった。アジを釣ったフライにサバは反応しないのか。