F.F.雑感
其ノ五百十四  寒波襲来と二つの釣り
瀬戸の日暮れの連絡船を見ながらキャスト。



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新たなバンブーロッドの本が出版され、maekawacraftのM川氏も載っているということで、久しぶりに工房を尋ねた。
「寒うなったのう」
「ようやくまともな冬ですね」
すでに来年の解禁の話にまで及ぶが、思えば今年の解禁後は桜の散る頃から緊急事態宣言だった。
「来年はどういう釣りになるんじゃろうのう」とM川氏。暖かな春の川でゆっくりライズを釣るような釣りがしたいな、と僕は思った。

あとで情報共有をすることにして、僕とKSさんはお互いの釣りに戻った。
今回は七つの橋の島の四番目の島。前回の冬はギャング針使いが現れてダメになった気がしていたが、この冬は見かけない。
そしてこの寒波、ここのメバルが良くなっていると、期待を持たずにはいられなかった。
ここは僕の中ではメソッドが確立されているシンキングラインでいく。数投でチビメバル、その数投後にまずまずの型。これは潮位が低いうちからイケるのではないか。
にじり寄る島ニャンコ先生。スミマセン、食べ物残ってないです(>▽<;)
やっとこさの良型メバル様。救われましたよ、ホント(^^;)
満潮手前が時合と決まっている訳でもなさそうです
(切れたっ!)軽くなった瞬間わかった。足元の格子状の壁面に潜り込まれた。
「大きかったかね?」と、年配の釣り人が話しかけてきた。
「なかなか良さげでした。切れました」と僕は答えた。
硬くなり落ちかけたラインを気にしたからか、いやそもそも寒さで体の動きが固い。それもやりとりのスキにつながったのかもしれない。
しかしあろうことか、そのあとまた強い引きを同じように切られた。これはイカンだろ。
朝は4度となんとか起きるには耐えられる気温だった。島に着いた時が何度だったか? しっかり着込んできているから大丈夫だが、これで風が強まってきたらかなり堪えそうだ。
またチビメバルがかかり、引き上げてフックを外すにはグローブを取る。その時どうしても手が濡れる。これまた冷たさが半端ない。ネオプレーンのグローブ自体も徐々に濡れてくる。そしてこの低気温低海水温の影響は他にもあった。
「何が釣れますか?」と、声がしたのとゴゴンっと強い引きがあったのが同時だった。とりあえず魚をいなして引っ張り出す。と、その時バスケットのラインがこぼれて海側に落ちそうになった。この新しいシンキングライン、前回までやや硬いかなと思ってたが、この日の低海水温でさらに硬くなって、バスケットからこぼれやすくなっていた。
もぐもぐタイムも寒い中。あったかいものが身にしみます。
夕方、晴れてもすぐに冷気が降りてくる。
久しぶりのこの港、11ftで潜られ対策をやっていたのに、今回に限って持ってきていない。
三回目の強い引き、これを切られたら釣りに来た意味がない。僕はバスケットを気にしつつなんとかいなして掛かった魚を防波堤から離した。赤い魚体が見えてきた。

KSさんからメッセージがきた。どうやらいい場所を見つけて良型メバルを釣ったようだ。
M川氏と話した来年の渓流、春の訪れはまだ先だと思わせる寒風が吹き始めた。

  
防波堤には誰もいなかった。かなり寒いが風は弱かった。海面はまだ低い。ようやく干潮から満ち上がり始めたばかりだ。
潮流はかなりある。潮位が低いなら低いなりにやってみても良さそうだった。
と、着信音が鳴った。KSさんからだった。確かこの日は僕も知っているTさんと釣りに行っているはず。
話を聞くと、彼らが向かった島の防波堤は全くダメだったという。ここ何回か、調子の良かった場所だった。
昼前までは風も弱く穏やか。気温水温は厳しく。