F.F.雑感
其ノ五百二十六  カニとキビレと霧の島
在宅勤務を続けているのだが、仕事をしている部屋はエアコンがない。網戸にして扇風機でどれだけいけるか? 早朝開始でなるべく早く終わるようにしている。
それは室温が上がる前にということで、決して大潮の干潮フラットのタイミングのことではなかった。(多分(^^;))

この日の市内最高気温は32度。六月中旬にしてもう真夏日とは。もちろん僕は仕事を早めに切り上げ(ちゃんとこなして)車に釣り道具を積み込んだ。
動かない。あー、完全に引っ掛かった。仕方がないと、ロッドを真っ直ぐにしてラインを引っ張ろうとすると、ぐぐぐぐっと動き出した。(魚っ!?) 本当に岩に引っ掛かったと思ったのにまさかの魚。僕はラインを巻き取りながら後ずさりした。振り向くと後方も水没していて岸はかなり離れている。巻き取った端からラインが引き出された。慌ててドラグ調整をする。
リールの逆転を止めると一気にロッドが持っていかれる。少しドラグを緩めると、ジジジっとラインが出ていく。そのやりとりを繰り返し、徐々に魚体が寄ってきて、水面を割ってトゲトゲの背びれが見えた。下げ潮で釣ったやつよりでかいのは引きの強さでわかった。僕はようやく足元までよった魚のお腹に手を添えて持ち上げた。キビレだった。

1時間で着くだろうと深く考えないで出発したが、なんのなんの、全く遅刻だった。途中の信号待ちで、遅れそうだから先に始めてくださいとメッセージした。すると少し経ってから返信が来て、すごいライズで良型連続ヒットだという。
見なければよかった。僕は大いに焦った。
ヒートアイランド内のクールスポットがフラット。
霧の港、メバル様に翻弄されるKSさんと僕(^^;)
シンキングラインに変えたりフライサイズを変えたり。色々やったがたまにチビが掛かる位だった。
僕は防波堤に座って足を海に投げ出しぼんやりした。遅刻したのに眠たくなった。KSさんは沈むポリリーダーを使って探っている。
ぼーっと海面を見ているといきなりライズした。しかも連続で。
僕は慌ててフローティングラインのロッドを取り、KSさんに伝えた。そしてキャスト。すぐ出たが合わせ切れ。落ち着け、自分。
改めて見渡すと、目の前に数え切れないメバルのライズリングが広がっていた。



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同じ市内でもフラットは体感温度は低めだ。アスファルトもコンクリートもない泥の地面と水辺。そして海からの風。
異常に早い真夏日は僕のフラット行きを促した。干潮前の下げ潮がまだ残っていた。
水際を見るとフライサイズドンピシャのカニが動いている。捕まえようとすると砂の中に潜る。きっと見えない範囲には相当数いるに違いない。
下げ潮の流れにキャスト。数頭目でグン、グンっと手応え。きた!こんなに早いタイミングできた。
メバル様の活性スイッチオンオフに慌てまくりです(^^;)
この日二匹目の40cmオーバー。ありがたいです。
真夏日のキビレ二匹の日の数日後の週末、僕は釣友のKSさんに連絡をし、釣りに行こうという話になったが、何を釣りに行くかだ。チヌ・キビレは週末は有名ポイントはシーバスの人で混みそうだし、山は雨の予報だった。
で、半年ぶりのメバル釣行となった。午後には雨が降り始めるが10時半満潮だからその前後狙いで、目的の港に8時集合にした。
ところが僕は到着が遅れ、早めについていたKSさんは朝まづめのメバルのライズに遭遇したのだった。
外れないところにがっしりと。
形はおいといて、サイズはよし、色味はもっと明るい茶を入れよう。
霧に包まれる瀬戸の海峡。 
ほぼ干潮になり、40cmを超えていたキビレの手応えがしっかり残っている。これでもう帰ってもいいかなと思ったが、満ち上がりのチャンスにも欲が出た。
少しづつ潮が満ちてきたら、続けて甘噛みっぽい感触があった。魚の活性が高い。潮のタイミングの影響は絶大だ。
満ち上がりの流れがはっきりし始めた。波間に魚影が見えた。サイトで狙えるほどは見えないがかなり上がってきているようだ。
そしてラインを引く手が止まった。岩に引っ掛かった感触だ。
僕が着いた時にはKSさんは十匹以上釣っていて、ライズも徐々に沈静化しつつあった。
大慌てで準備してキャストするがチビメバル数匹でライズは完全に止まった。
「ライズで釣れるほとんどが20cmオーバーでしたよ」とKSさん。僕はため息しか出なかった。そうか、この港のメバルの時合いは潮のタイミングじゃなくて時間帯、まづめだったのか。
霧雨が降り始め、海も島も霧で霞んでいた。日差しがないから暑さが抑えられて助かった。
グラスロッドを大きく曲げたメバル様。