2015 釣乃記
第弐拾参話  高気圧にあおられて
今年の猛暑はここ数年で一番なんじゃないかと思う。
もう部屋でも車でもエアコンつけまくり。まあ無理は体に悪いので適温でつけるのはいいかな。

釣りにはかなりきびしい季節。その時の場所や条件で釣りの内容も大きく左右される。
キャスティングやフライタイイングやドリフト云々とは別の、釣り運の巡り合わせとでも言うべきもの。
どの川に行くか、釣行前のプランニングが悩ましい。
夏の終わりはあちこちで夏雲がもっくもく。
時間の経過とともにぐいぐい気温が上がってきた。汗もだらだら流れる。本当にひと汗かきにきたようなものだ。
セミがうるさく鳴きだした。山がこだましているかのように頭の上で響いている。
そろそろ昼になる。昼食も用意しているが、最初の小アマゴだけではさすがに満足出来ないし。

葦の高密度区間。葦の際ぎりぎりを流してみる。
しっかり日の当たるポイントだけど、どうか?
たくましく生き残った葦の川のアマゴ。
夏でも朝早くより昼に近い方が釣れるというのは、僕の勝手な都合でしかないかもしれない。早起きが苦手だから。
でもこの葦際の一匹はこの時間だったから釣れたような気がした。

気が付くと向かう上流に夏雲が湧いていた。
早朝よりも昼間の方が高気圧が活発になり、その気圧の影響を受けて川のアマゴもフライに反応する、なんてそれは考え過ぎか。
でも僕も気圧にあおられて次のポイントへフライをキャストした。
結局決めた釣行先は自宅からジャスト1時間、道のり100Kmの川だった。夏だからと言って特別早起きということもなく、釣り始めは9時だった。
予報では晴れ。暑くなるのはわかっていたが、僕の感覚では夏の釣りと言えど朝早ければよく釣れる、とは必ずしもそうではないと思っている。

この川は例年葦がすごいのだが、その予想を上回るはびこりようだった。でも来たからにはやるしかない。
あいや、ちっちゃいアマゴ様。お付き合い、ありがとうございます。
葦の侵食は加速するばかり(>_<)
この季節の釣りはマッチザハッチではないし、常時テレストリアルフライを打ち込む攻めの釣り、という感じだ。
条件の読みはこの季節なりにするのだが、できればシビアなフライセレクトの釣りよりも気持ちよくテンポよく釣れたらいいな、という気持ちの方が強い。
キビシイ季節でもがんばって釣りに出掛けて、ひと時夏の暑さを忘れられたらそれでもう満足、という感じで、釣りに求めるものが春とは異なっている。
ビッグサイズのカワゲラ。ロッドティップが落ち着くの?
葦に挟まれたような流れですぐにきた。小さなアマゴだったがとりあえず一匹釣った。
きれいな尾ひれを見るとこの川で生まれ育った個体に違いない。小さくても夏の川に赴いての一匹だからなんだかうれしい。
葦をかきわけ進む。川幅が狭まっていてポイントが少なくなっていた。クモの巣がないのにも気が付いた。この川はクモの巣は多かったはずだが、どういう具合でクモの巣が消えるのだろうか?
もちろんその方が釣りはやりやすいに決まっているのだが。
じりじりと日ざしが照りつけ、セミがじゃんじゃん鳴きだした。
雲が湧くと心が踊る。夏ももう終わりか〜。
永谷園、おにぎり茶漬け初登場(^_^;