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其ノ三百五十 まだ夏だった島
長い事見なかった夏雲が、本土側から湧き上がっていた。
自宅からフェリー乗り場まで車で三十分では行けない。
7時半の便はあきらめた。しかしもたもたしていたから次の8時半の便にも間に合わなくなってきた。やむを得ず僕は自宅近くのインターチェンジから都市高速に乗った。いらん出費だ(ーー;) 町の港からフェリーで20分。目指す島は去年の自転車釣行に続いて二度目だった。 今回は自転車はなし、人間だけが渡る。
島ニャンコ先生、大挙してお出迎え(^_^;
気が付くとすっかり暑い。
島から見える本土の町の上空には元気のいい夏雲が沸いている。 釣り再開。Hさんは快釣。アオリイカが接岸している。 僕もティーザー作戦に頼らずともフライをキャスト出来る範囲内で何度もイカがついてきた。 でも結局釣り上げるまでには至らない。このままで終わるのか。 最後の決め手はフライパターンかそれともアクションなのか? 僕は行きと同様に、帰りの予定のフェリーをひとつ遅らすことにした。
今回は先発隊が先に上陸。去年この島に一緒に来たHさんが後輩を連れて朝いちで島に渡っていた。
僕はフェリーをおり、島ニャンコ先生にあいさつし、フェリー乗り場のすぐ横の港を目指した。 Hさんたちとすぐに合流した。彼らはまだイカはよくないのだとの情報を得ていた。 海は前日の雨で少し濁っていたが果たしてどうか? まずはHさんたちとは離れてやってみる事にした。
去年の戦術、Hさんがエギでティーザー役をしてイカを寄せ、それを僕がフライで釣るやり方を開始した。
Hさんがキャスト、エギを操る。エギに引き寄せられてついてくるイカが見えた! 僕はその少し沖側にフライをキャストした。そしてリトリーブ。手前まで寄せるとフライにイカがついてくる! しかし抱きかかえるまでにはいかなかった。 しかしこのティーザー戦術、初めてイメージ通りのところまでいった。僕とHさんは一気にテンションがあがった。 Hさんは次々とイカを引き寄せてくれた。しかし僕はいいところになかなかキャストできない。しまいにはイカが寄ってるのに僕はフライを岩に引っ掛けたりラインがもつれたり。 ふたりの呼吸が合わないとこの戦術はうまくいかないのだと痛感。あまりに連続でやっていたので休憩することにした。 ![]() ![]() ![]()
Hさんが釣ったアオリイカ。このあと次々と。
一投目、キャストしてリトリーブすると小さなイカがフライのあとをついてくるではないか!!
これはイケそうだ。フライに興味を示していることに間違いない。 その後しばらく粘ってみるが最初のチビイカのようについてくるやつは現れなかった。 一投でスレたのか!? Hさんたちと再合流。どうやら少しづつアオリイカが岸に寄ってきているとのこと。 満潮から下げ潮へと移行しつつあるタイミングでもある。
この島では二連敗。いつかきっと、釣るまでは。
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