其ノ三百五十二  スーパームーンの潮流
前の日には真夏日を記録。果たして・・・。
先々週、町の港の真向かいの島へ渡ったのは、エギをティーザーにしたイカ狙いだった。
イカ以外のいつもの自分のソルトの釣りは、毎年開始が早まって来つつあったが、とうとう9月中の釣行をやってみる気になった。
だいたいがソルトのメインターゲットはメバルだった。さすがに9月は早すぎると思うのだが。
じゃあなぜ行く気になったかと言うと、潮だ。この日は大潮だが、ただの大潮ではなかった。
この島にももちろんニャンコ先生が。・・・警戒されてるな〜(^_^;
この日の目的の島に着いたのは、ちょうど満潮の時だった。見慣れた防波堤と海面との差がほとんどないように見える。潮位が高い。
次の日はスーパームーンだった。それなら海面が受ける影響も一年で一番大きいのではないか? それなら釣りにも有利では? というのが理由なのだが、果たして?
網の手入れをしていた地元の漁師さんにあいさつして通ると、
「ここより真向かいに見える防波堤がええで」と教えてくれた。
さらに細かくポイントまでも。
漁師さんにお礼を言い、教わった防波堤へ向かった。そこには釣り人が数名いるのは見えていたいが、突端には人影は見えなかった。手前の釣り人に突端に行っていいですかと聞き、快く了解をもらった。
突端の灯台のところに着き、海面を見て僕は驚いた。すでに潮流は始まっていたが、それがすごい勢いなのだ。
岸側から沖に向けてまるで川の流れのような潮流が起き、その流れの中を小魚が群れて泳いでいる。大きい魚は表層には見えなかった。しかしこれは思っても見なかった好条件ではないか。流れの筋には藻やゴミが漂って引っ掛かりそうだが、そんなことは気にしてられない。僕は勇んでキャストした。
「釣れたかね?」と島のおばあさんが話しかけられた。
「いやあ、、一匹だけです」と僕が言うと、おばあさんは
「そりゃあエサ代の方が高くついたね、アハハハハっ!」
で、僕もつられて
「ホントですよ、アハハハハ」

スーパームーンの潮流は収まった。ポイントを教えてくれた漁師さんは半月後に網を仕掛けると言っていた。
本格的なソルトフィッシング開始まではもうちょっと、だな。
早めの納竿。帰りにちりめん丼を食す。
この日、しっかり日焼けしました(^O^;)
す、すまん、釣ってしまった(>_<)
着水したフライに小魚がわっと集まった。う〜む、もっと大きいのはいないのか? じゃ、小さいのでもいいから一匹、とフッキングしようとしても掛からない。もう一度キャスト、わっと集まる、フッキング、掛からない。なんだ?こいつら?
フライを取り換える。ライトウェイトのシラスパターンから重いダンベルアイのフライに。着水の勢いは強い。それに散るどころか逆に集まる小魚たち。あ、こいつらはひょっとして・・・。
ようやく掛かった一匹はスズメダイだった。う〜ん、そうだったか。もっと早く気付くべきだった。