其ノ四百十三  穏やかな海の午後に
先週とは逆に正午が干潮のこの日、僕は久々に海辺の公園で釣行ランチをやってみた。
座るところがぎりぎり日陰、吹く風は心地よい微風。すぐ横の山ではまだセミが鳴いているのに、この快適さ。
日なたはまだ暑いがやはり秋の気圧配置なのだなあ、と思いつつ焼きそばをすする。

先週新たに釣果を得た防波堤で始めてみた。潮位は低いが潮流はそろそろのはずだ。
久々の釣行ランチはずいぶん手抜きだなあ〜(^0^;)
この日はアナハゼ祭りになりかけた(^^;) ほぼこの一本だけで釣りました。
水中でわらわらと魚影がうごめいているのは見える。しかしフライへの反応はない。
小一時間やってみて今回はここは諦める事にした。
これから夕まずめ前に上げ七分を迎える。その一番良い時を七つの島の中の四番目の島でやってみるのがこの日のプランだった。
そこでダメでも夕まずめに三番目の島へ行けばなんとかなるだろうという保険もかけている。
とにかく気持ちのいいこの日の天気。
四番目の島のいつもの港の防波堤には誰もいなかった。
若潮の干潮からの上げ、釣り人はみんなこの潮は避けているのだろうか。
島の海岸道路沿いはエギでイカを狙う人達がひしめいている。彼らがここにこなくてよかった(^^;)
潮位は最初の防波堤よりはだいぶ上がってきている。魚影も見える。
ここは風もなく気候もちょうどいい。ふと、僕はジンクスみたいなことを思い出した。
このヒレがパワーを生み出しているのですね。
人に快適な気象の時は釣れなくて、人に厳しい気象条件の日が釣れる、なんてよく思っていた。特に冬にそう感じていたのだが、ほかの季節にあまりソルトの釣りをしていないからそう思ったのかもしれない。
今年の春から夏にかけてのほぼ初めてソルトをやる季節は、強風があったわけでもないしただ暑いのを我慢すればなんとかなっていた。暑さが人に厳しい気象条件に該当していたのか。
そうするとこの日は厳しい条件はなにもなく、潮位が上がってくる頃には陽も徐々に傾いてきて、ひたすら快適だ。果たして釣れるのだろうか?
一匹目が釣れたのは四番目の島で釣り始めて二十分後くらいだった。
潮流の向きが頻繁に変わる、その中でいきなりドスンときた。おお、穏やかな日でも釣れた。ジンクス破り、ということになるのかな。
きっと潮もいい。ほどほどの潮流、苦手な上げ潮であっても。
それから俄然釣れ始めた。おまけにメバル二匹にアナハゼが一匹混じるペースだった。
海面も波静か。ひたすら穏やかな島の一日。
表層に良い型が姿を現し始めた。僕は勇んでフライを流し込んだが、釣れない。
離れてキャストしてみたがラインで水面を叩く始末。防波堤際をシビアに狙って流すがピタッと反応が停まってしまった。フライをたぐり寄せたら糸が絡まっていた。
いかん、どうやら昼食後の釣れない時間で消耗したようだ。集中力が途切れている。
ペース配分も大事だよ、と最後に釣れたメバルがそう言った・・・訳ないか
(^^;)
斜光を浴びるメバル様。自慢の背びれが光ってます。