FlyFishing Scramble

其ノ四百十八　　満潮の手前、冬の手前

朝は七度を切って、なかなかの冷え込みだった。
満潮が11時だから潮流のある時間帯に間に合わないかも知れなかった。
三週連続の雨の週末の、その翌週。ようやく晴れの週末となった。
一度金曜日の夜に島に行ったが、それ以外では久しぶりの島釣行。11月初旬ならメバルは十分に狙える。
途中のいくつかの港は釣り人が多い。みんな晴れの週末を待っていたんだな。

やや緑色の海。季節の移ろいは海の色にも。

「朝からやってアジが80匹釣れたよ」と年配の女性が話しかけてきた。
「おおー、良かったですねー」と言葉を返した。
そのあとから旦那さんらしい人が会釈して通り過ぎ、二人は帰って行った。
途中はあれだけ釣り人が多かったのに、七つの橋の島の四番目のいつもの港は僕一人になった。
満潮まであと一時間、とにかく釣らなきゃ。

着いて数投で釣れたメバル様。今日はいいかも(^^)

またしてもアナハゼ祭りになりかけた(^^;)

このシルバーのパターンが良かったのだが。

この日は新しいラインを準備してきた。タイプ３というのが使い勝手がどうかと思ったが、新しい事もあるのか、やたら絡む。前回までの少し短めのラインと違って100ftあるのでフルラインのキャストがなかなかできない。
満潮手前の上げ潮の潮流がけっこうある。例によって潮流の向きが頻繁に変わる状況だ。朝の冷え込みは和らいでいたが風は強まったり弱まったりを繰り返していた。
何投目かしたとき、良い手応えが返ってきた。早々とメバルが食いついてくれた。その後もぱたぱたっと釣れたから、試しにフライを新たに巻いたヘロンのパターンにしてみた。ところがこれが釣れない。コツリともしない。ヘロンのフライがダメではないと思うので、この日のメバルにはお気に召さなかったと思う事にした。

もとのフライに戻した。シルバーのビーズにシルバーのウィング、#16の小型フライ。
投げてすぐにメバルが食いついた。明らかに反応が違う。
と、メバルが上がってこない。防波堤下部のえぐれに潜り込まれたようだ。あれこれ引っ張っていたらティペットが切れてしまった。
同じシルバーパターンを結んでまたキャスト。すぐきた。そしてまた潜り込まれた。また切れた。これはいかん。

日中は十六度まで上がって、風が止んでいたらポカポカ陽気。

結局同じ潜り込まれを三回もやってしまった。よく釣れたシルバーフライはもうない。
満潮になった。若い釣り人たちや家族連れが何組かやってきて賑やかになってきた。
少し大振りのフライやヘロンのパターンをキャストするがどうもこの日はシルバーが当たりフライだったようだ。

また風が強まってきた。もう冬がそこまで来ているような少し冷たい風だった。

この日一番のメバル様。やはりシルバーのフライで。