其ノ四百十九  最大風速15m、その先に
コンビニに寄った時にようやく風の強さに気が付いた。雨の予報は消え去ったが風があるのか?
僕は今週も七つの橋の島へ来たのだが、小潮のこの日の釣りにいささか不安を感じた。
(風さえなければなんとかするのだが)

三番目の島で干潮潮止まりのうちに昼ご飯を食べ、潮位が上がって来始めたら釣り開始のつもりだった。
この島独特の集落の佇まいを海側から眺めつつ。
釣行ランチの途中から、さらに風が強まってきた。
上げ潮が始まる頃には場所によってはほとんどキャスト不可能の状況だった。
カップのスープパスタがおいしかったので、気分よく釣り開始の流れだったのに、一気に崩されてしまった。
島の南側が風にあおられ放題だったので、北側の岸に移動してみる事にした。初めてやってみる防波堤は、場所場所で風速が全く違う。

カップヌードルアラビアータは秀逸(^O^)
風の強い場所ではまともにキャスティングしてもフライが着水しない。大振りでたたきつけるようなキャストでなんとか着水。しかしもたもたしてたらフライラインが風で浮かび上がってフライも引っ張られてしまう。さらにラインをリールから引き出し、水面へ落としていかなければならない。それでようやくリトリーブできる。
ラインを引きながら(これはもうムリかも)と思った矢先、ゴンっと手応えが伝わった。こんな強風の中でもメバルが釣れてくれた。そのあとも続けてきた。
しかしさらに風は強まり、僕はこの防波堤を諦めていつも行く港へ向かう事にした。
その港はアメダスで出ていた最大風速15mの只中だった。
潮は上げ七分、いまから他へ移動する気にはならない。僕はこの港でなんとかもう少し釣果を上げようと思った。
ほかに二人の釣り人が居たがひとりは僕の到着と同時に帰って行った。もうひとりの釣り人は強風の中のキャスト、ラインに付いた浮きが風に流され見事に飛んで行った。
少し経つと若いカップルが釣りに来た。この条件の中、なかなか腹が据わっているな。
強風の海中はどんななのですか、メバル様?
エサ釣り浮きキャストの釣り人が竿をあおった。リールを巻き取り、仕掛けをあげるとアジが釣れていた。
うむむ、と僕も叩きつけキャストを繰り返すが反応はない。いや、あってもわからないのかも?
と、ググッとロッドが引き込まれた。小さいがメバルがこの風の中でもフライに食いついてくれた。
しかしこれだけ風に当てられっぱなしだと、もうこっちがもたない。
姿勢を保つのにもさえ、やっとのこの風(>▽<)

翌日、馴染の陶芸家の風炎窯さんのイベントに顔を出した。タジン鍋を日本風に改良したTATARA鍋のイベントで、無水低温料理を実現する優れものの鍋だ。
その鍋で作った料理を試食させてもらったが、うまい。
食材の味がしっかり生きていて、手羽先がほろほろに柔らかい。
強風の翌日は炎の風の鍋に舌鼓をうって、なんだか救われた気がした.

TATARA鍋の料理をいただき、TATARA鍋がなんだか欲しくなってきた(^^;)