2017 釣乃記
第拾話  退っ引きならない一匹
帰りの高速で今年初の岩魚茶漬け丼を食す。重い空気もこれでなんとか払拭できた? のだろうか?
ま、うまいのは間違いないんだから、じっくり味わってひと心地。
なんと言ってもこの出し汁がうまい。ご飯に乗っている岩魚の唐揚げと地元の漬物(?)の食感もいい。

夕まずめが空振りに終わり、この日の釣果は0となった。しかしかなりの型のヤマメの存在がわかった。まだ可能性はある。
カワムツの針を外そうとしたら別のフライが刺さっていた。
見覚えがある。僕のだ。ティペットごとついている。ここでカワムツを合わせ切れしたことあったっけ? とにかく失礼いたしました。
さらにキャスト。一度ポイント上空を通過させたらぎらりと魚体が飛んだ! あいつだ!
次のフォワードで着水させた。今度はドンピシャリ。一発で出た!
合わせた時、プッと手応えとともに軽くなった。切れた・・・。
見るとリーダーとティペットの結び目が切れていた。今し方、カワムツが教えてくれたばっかりなのに。
今季初の岩魚茶漬け丼。食べ物に救われる釣りって・・(^^;)
二週目合わせ切れのあと。空は晴れているのに心は晴れない〜(>_<)
日中の釣れない時間帯。ランチと昼寝で時間をつぶした。それでもまだ夕まずめにはほど遠い時間だ。
それにしてもこういうまずめ狙いの釣りは過去にあまりしたことがない。夕方まで粘る釣りはここ数年やっているし、そのおかげでまずまずのヤマメを釣った実績はある。しかし今年は執拗なまでに夕方の時間帯に絞って釣りに来ている。なぜか? 
ひとつには狙う魚を見つけて目をつけているからにほかならない。一筋縄ではいかないターゲットがはっきりしているから、それを釣る手段としての夕まずめだ。でもそれだけが理由ではない。
本流支流で釣り仲間たちが次々とかなりの型のヤマメを釣っているからだった。それを今どきのことだからSNSで目にしてしまうことになる。そうなると心中穏やかではいられないのは、釣り人としては全くもってまともな話だ。
三週間ぶりのヤマメ様。僕にはもう釣れないかと思った(>▽<;)
三週目は一気に広い川にチェンジ。しかしそのあとは・・・。
カワムツの口から出てきたものが暗示していた?
次の週末前の平日に強い雨が降った。短時間だから釣りで有利な状況にはなっていなさそうだった。
僕は結局三週目の夕方もあいつの場所へ向かった。川は三回の挑戦のうち一番水位が下がっていて、あいつはおろかカワムツさえも釣れなかった。あいつの口には糸の付いたフライがまだ残っているだろう。
この日の午前中は違うエリアで釣りをした。小さな沢に入ればいいものを、大物がいやしないかと大場所を歩いた。そこで三週間ぶりにヤマメが釣れた。
「梅雨まで待ったら?」とヤマメが言ってくれたような気がした。
まだ夕方ではないがいい感じに陽が傾いてきた。僕はあいつのいるポイントへ向かった。
虫は極小サイズが飛んでいる。カワムツのライズリングが見える。
いつぞやのライズなしの時にライズを起こす、シャドウキャスティングをやってみようか?
来てすぐライズしてくれるほど甘くはない・・・と、ライズした!
僕は#20のスペントスピナーを結び、キャストした。が、風で流され緩流帯に落ちた。出たので反射的に合わせてしまい、カワムツが釣れてしまった。
夕まずめに備えて昼食、そして昼寝。
一週間後、僕は前回夕まずめで失敗した場所のヤマメを釣るために再び同じ川を目指した。
午前中はざっと上流域をやってみたがGWをすぎるともう期待は持てないのがこの川だった。
それでも一週間前に見たあいつはほっておく訳にはいかない。この川の決着がつかないうちは別の川へは行く気にならなかった。

上流域も思った通りヤマメの姿は見えなかった。こりゃあ例のあいつをなんとかしないとこの日もボウズになりかねん。
3週目のランチ。行き先は不透明(^^;)