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其ノ四百 強風と10秒ファイトの島 | ||||||||||||||||||||||
波立つ海面は水面下の魚の気配を隠してしまう。 いくらか反応を示す魚が居るのか居ないのか? それがわかるだけでもやる気がずいぶんと変わってくるんだけど。 この日の海面の波の原因、それは7mを記録した強風だった。 14時満潮、小潮、干潮は20時くらいだから最悪夕まずめになだれ込んでも潮流はまだあることになる。 |
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っとっとっと! よろけた。ヤバいヤバい。海に落ちなくて良かった(^^;) | ||||||||||||||||||||||
やっぱり下げ潮を狙うんだから先に昼飯は済ませておかないと。これまた強風の四番目の島のランチ会場ビーチに着いたのが11時過ぎ。七つの橋の島の釣行の恒例ランチだ。このあとはやはりお決まりの中央桟橋の港。 あろうことか中央桟橋防波堤はこの冬は一匹も釣れていない。かつては立ち位置変えずに20連続ヒットというのもあった場所なのに。いったい海の中では何が起こっているのか? かつては、と言えば何年も前にもかなりの強風での釣行があった。その時は風速8mと記憶している。今回はその時より弱い観測値だが体感的には過去最強の風のように思えた。これは人に厳しい気象条件は釣れるの法則、なんて悠長なことは言っていられない状況だ。 |
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ガスのストーブが不調だったか、いつまで経っても湯が沸かない。 強風の中、風を塞ぎながら少しでも沸くのを待ったが、いい加減じれてきたので沸騰しないうちに準備を始めた。 中央桟橋には誰もいなかった。この強風なら無理もないか。わざわざ島にやってきたからにはなんとしても釣りをするんだ、という気持ちも萎えるほどの風だった。 |
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お手軽にガスで湯沸かしてラーメンとカレーメシをと思ったが・・。 | ||||||||||||||||||||||
「これじゃあ釣りにならんじゃろ?」 僕が車に戻ろうとしていたら僕の車の近くに停めていた車の人が話かけてきた。 「やる気おきませんねー」 「東側の港を全部回ったが、風の弱い場所はなかった」 その人はそう言い、車を発進させた。 そうか、風の弱い港。あそこか。僕は今回も反応のなかった中央桟橋を諦め、四番目の島を出る事にした。 |
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雲がちぎれて流れる。この空が現れたら春も近い。 | ||||||||||||||||||||||
直近四釣行が全て釣果一匹という現実がのしかかってき始めた。 強風にやられていることもあるが、今回もだんだんヤバい展開になりつつあるのは間違いない。 三番目の島は期待通り風が弱い。四番目の島とは天と地の差だ。しかしロッドを振るが反応はなかった。僕は灯台のたもとに座り込んだ。 時折ゴッと風は吹くがそれでも僕はウトウトし始めた。 |
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飛んでいるというよりも、風に吹き飛ばされているカモメ。 | ||||||||||||||||||||||
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もちろんそんなには寝ていない。しかし目が覚めると海の様子は劇的に変わっていた。 全く見えなかったメバルの群れが見えていた。ライズもしている。 僕は興奮を押さえつつダートフライを外し#18の小型フライに変えてキャストした。 風は強まってきていた。日没が近いが夕凪ということにはならないようだ。 何度かフライには出た。しかし合わない。そしてすぐに糸が絡んでしまった。 |
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十秒ファイトのメバル様。釣れてくれてありがとう(^^;) | ||||||||||||||||||||||
辺りはみるみる暗くなった。同時に釣り人が増え始めた。干潮までまだ時間はある。 僕はダートフライに戻し、風に注意しつつキャストした。しかしリトリーブの手応えが掴めない。潮流の向きが短い時間にかなり変化していると気が付いた。 ようやく潮流を捉えラインを張った時、ゴゴンっと手応えがあった。 十秒のファイトがとんでもなく長く感じた。そして重たい魚体が水面に現れた。 |
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またしても紙一重の釣果。ま、良しとします。お疲れさま、自分(^^;) | ||||||||||||||||||||||