其ノ四百一  危機的ニャンコ先生の島 -六-
やる気がない訳ではないが、最初っからの目論みがあるもんだから、ちょっと気持ちが入らないという事は正直あった。
前回に続き七つの橋の島、その四番目の島はまたしても強風に見舞われていた。僕は四〜五投して車に戻った。
元々出発が遅かったからあちこち攻めてみるだけの時間はない。
最初っからの目論み、諸刃の剣と言う気もかなりしている。
夕方、悠然と港を闊歩する島ニャンコ先生(^^;)
最近ランチも手抜き気味・・・、ですかい?(^^;) ジグヘッド卒業を目論み・・・、見事空振り(><)
前回の十秒ファイトに欲を出し、この日もあわよくば、と思うのは人間だからしかたがない。
午前中、ジグヘッドを使ったワインドダートフライを数本巻いて、午後出発夕まづめ狙いというのがこの日の目論みだった。タイイングしているうちにフライのマテリアルでダートアクションが再現できないかと、以前使っていたマジックヘッドで一本だけ巻いてみた。これがダートの動きには直結しないかもしれないがなんらかのメバルを誘う要素になるかもしれない。モノは試しだ。
島に着いて遅い昼飯を済ませた時には下げ潮がそろそろ終わろうかというタイミングだった。この日の夕まづめは前回と逆の上げ潮になる。
前回と同じ三番目の島に移動した。狙いの夕まづめまでまだ間があったが僕は待ちきれずダートフライをキャストして探ってみた。
ちょうど干潮、海に生気を感じない。風はまだ強い。前回は灯台のたもとでウトウトできたくらいだから、それよりはかなり気温は低そうだ。

ロッドを振っていると視線を感じた。初めて見る島ニャンコ先生が僕を見ていた。
この日もトリさん登場。僕が近づいても逃げないな〜。
キャストしリトリーブするたびに振り向くとニャンコ先生は僕の方をじっと見ている。なんだかやりにくい。それは僕がこの日は釣れるかどうか半信半疑だからだろう。
事実、ダートフライに反応はないままだった。

上げ潮の潮流はまだ始まらず僕は寒さに耐えられず、ニャンコ先生には悪いが車に戻って暖をとることにした。
エンジンをかけ暖房をつけたら即効で寝てしまった。
ニャンコ先生の期待、答えられそうにありません(><)

小一時間寝ていたようだ。港は暗くなっていた。
寒さに凍えた体はしゃきっとした。条件は前回と同じ。フライはダートフライとオリジナルのマジックヘッドフライを用意している。
これは固いだろうとこれまた前回と同じポイントへキャスト。ゆっくりリトリーブ。

反応はなく刻々と時間だけが過ぎていった。
常夜灯の光量アップが吉と出たのか?
港の浮き桟橋の常夜灯がかなり明るくなっていた。LEDにしているようだ。
僕の居る防波堤にもその灯は届き、糸の直しやキャスティングがやりやすい。それもあって粘ってみたが反応なし。
ああ、思い出した。やっぱりこの島の港ではフライには下げ潮がいい。上げ潮だとなにか噛み合わない。
気の抜いたリトリーブに小メバルが食いついてくれた。振り返るとニャンコ先生は闇に紛れて見えなくなっていた。
またしても紙一重の釣果。ま、良しとします。お疲れさま、自分(^^;)