2017 釣乃記
第十一話  そして前線を巡る
(あ、釣り人!) 上流から人が下ってきた。有望ポイントがひとつ潰れてしまった。
川に下りて数分で車に戻る。次のポイントへ。今度は誰もいない。
しかしここも期待のポイントだったはずなのに、ヤマメもいない。

車に戻りしばし考える。小雨は降り続いていた。二つ目のポイント以降はまだノープランだった。
とにかく別の支流を目指す。途中で気になる場所があれば、そこをつついてみるか。
バサッと魚体が覆い被さり、合わすと強烈な引き。これはでかい。
ロッドを寝かせ、引きに耐える。と、プッと軽くなった。
ラインをたぐり、見るとリーダーとティペットの結び目が切れている。今季この失敗は初めてではない。またやってしまった。
ここまで釣ったヤマメや渓や山に癒されて、気分よく帰れると思ったのにそうはいかなかった。口惜しい気持ちはその反面、また渓への意欲が沸いてくるのも感じた。
前線は停滞しているようで、また雨が強くなってきた。
コンディションが復活したヤマメ様(^^)
また岩魚茶漬け丼。大満足の一杯。
最初の二ヶ所のあと、僕は大きめの支流沿いの道を進んでいた。ふと道路から離れた区間が気になった。車を停める場所もある。
(やってみるか) 僕は自分の直感というか閃きを信じてみる事にした。この辺りは何年も釣りで入っていない所だった。
薮をこいで川へ下りた。こういう場合、下りてすぐの場所に良型が居る、の法則がある。雨足が少し強くなった。アントをキャストすると一発で出た。法則的中か?
久しぶりのヤマメ。雨のおかげか、コンディションもかなりいい。写真を撮ってリリース。同じ場所にもう一回キャストするとまた出た! 今度は掛け損なってしまったが。
雨の渓に身も心も洗われました(^^;)
梅雨入りしてからぱったりと降らなくなっていた。
それがようやくの雨。しかし週末どっぷりと降る予報だったので、この週末は釣りは諦めていた。
ところが土曜日の夜に見ると、そんなには降らない予報に変わっていた。
僕は三週間ぶりの渓へ、車を走らせた。

川に着くと小雨模様。気温は低く快適とは言いがたいが、釣りの条件としては悪くなかった。
大型アント登場。フライのサイズは合っている。
ケロロ先生、それで隠れているつもりですか?(^^;)
雨が止み、また降りを繰り返す。
広めのプールで向こう岸のレーンでまた一匹。大型を期待していたが元気なヤマメに満足した。
その先の流れで沈んだアントに食いついていた。ピックアップしようとしたらグイグイ引く。

しっとりとそぼ降る雨に包まれて、久しぶりの渓は来ていない間にずいぶんと様子が変わっていた。
深い緑に覆われた山。雨のせいもあるか、マイナスイオンが充満しているような空気。
思いきって来てよかった。
何度も狙ったヤマメに挑戦して失敗し、川の渇水もあって、しばらく渓流の釣りから離れていた。
その間に島のソルトウォーターの釣りをしていたが、この時期にやったことのないソルトの釣りが面白く感じた。
メバルも今が一番活性が高く、昼間でもかなりの良型を釣る事が出来た。雨が降らなくても潮を合わせれば良い釣りができるとわかったからには行かない訳にはいかない。
僕の川への気持ちは薄れ、島釣行が続いた。
次会う時はもっと大きくなっててね。
がっぽりアントを食べちゃったのね(>▽<)