其ノ三百五十六  島の一日、9時から19時
朝まづめのチャンスをのがし ふて寝・・・ではありません(^_^;
見えているのはスズメダイらしき小魚の群れ。そこへ突撃する青い魚、どうやらアジのようだ。
アジがスズメダイを食べようとしているのではなく、スズメダイの近くのベイトフィッシュを襲っている? 
僕は大慌てでフライを手持ちのミノーパターンに付け替えキャストした。リトリーブすると青い魚は急激に方向転換、フライに突進、直前でUターン!!
・・・惜しい。なぜ食わん?
恒例(?)の海岸ランチ、金ちゃんラーメンとドライカレー。
辺りは暗くなり、外灯のない防波堤では釣りはできない。
とうとう一度の反応もないまま夕まづめは終わった。僕は諦めて車まで戻り片づけを始めた。
すぐ横には別の車が停まっていてその先の防波堤で釣りの準備をしている人がいた。
(これからがいいんだろうな)と僕はぼんやり思った。フライでの夜釣りは今まで避けてきていた。
この港にはプレジャーボートを繋留するマリーナがある。そこは常時灯がともっていた。
静かな漁港。釣り人もまばら。
この日は先週と逆でお昼が干潮、午前中は下げの潮流の時間だった。がんばって早起きしたがそれでも島に着いたのは9時前。途中のメジャーな港の釣り人の多さに驚きつつ、目当ての漁港がそうでもなかったのでホッとした。
車を停め海を見ると一帯はまさに地合いの真っ只中だった。高速で泳ぎ回る青い魚、逃げ惑う小魚、こんな光景は初めて見た。
見切られるフライを交換しつつキャストし続けたが、地合いは僕が着いてから30分で終わった。
「何狙いですか?」釣り終わって帰る途中らしき若い釣り人が声をかけてきた。
「はあ、メバルでもと」
「夜ならカマスが釣れますよ」
彼はそう言って帰って行った。僕は彼にお礼を言い、暗くなるまであと9時間か、と溜息をついた。

地合いが終わってもまだ午前中。僕は防波堤を沖に向けて進みながらフライを投じてみた。
スズメダイやメバルらしき魚影は見えている。もっと大型の魚も。
昼ご飯のあと、別の港をやってみたが、日中の干潮なのもあってほとんど反応はなかった。
この季節だから日没は早い。僕は夕方のワンチャンスに賭けてみようという気になっていた。
日没前、朝の港に戻った。釣り人はいない。そんなものかな〜?と思いながら海を見ると、朝の地合いの活性の感じはなかった。
朝夕、まづめならいいという訳でもないのか。朝の青い魚も姿は見せず、やはりスズメダイっぽい小魚だけが群れ泳いでいた。
8ヶ月で1万キロ。山に海に、良く走ってくれます。
日没、第二ラウンド開始。
小型エビフライの効果はどうか?
初めてのアジ。なんにしてもちっちゃいですが(>▽<)
「イカかい? 釣れるじゃろ?」 と、また声をかけられた。この防波堤で釣りする人はなんだかやたらひとなつっこい。
僕がもぞもぞ返事をしていると、「太鼓リールか、かっこええのう」と褒められた。・・・太鼓リールσ(^_^;)
若い釣り人がやっていた防波堤の突端まできた。朝のあの活性は全く感じられず、僕は一度もキャストせずに引き返した。
昼が近くなった。干潮になるころなので、お昼ご飯にすることにした。場所を移動し、海岸の落ち着けそうな所でラーメンを作り冷凍ドライカレーを炒める。それをiPhoneで撮りfacebookに投稿。我ながらよくやるな〜(^_^;
空腹が落ち着いたところで考えてみる。(夕まずめまで粘ってみるかなあ) 先週の釣りで最後の最後で釣れたこともあるし、さっきの若い釣り人の言うカマスの件もある。期待はできそうだ、と僕は考えながらウトウトし始めた。
島に10時間。帰りの道中も空いていることでしょう(^_^;
(もうちょっとだけやろう)そう思ったのはすぐに帰ろうとしても道路の渋滞が予想されたからだ。
マリーナは暗くなるとともにイカ狙いのエギンガーが何人もやってきていた。
空いた場所で海をのぞくと、岸壁の際に大型のチヌがぱくぱくやっている。ベイトの群れも高速で泳ぎ去る。これは地合いなのか? ベイトの群れは何かに追われている。そこに小型エビフライを投げる。ゴツンっとロッドが曲がり、僕の島での長い一日が終わった。