其ノ三百五十九  島、雨、干潮、夕まずめ
瀬戸内海から本土側へと強力な雨雲が北上!
広島の地酒、雨後の月の新酒が出たので買った。最近なめろうにハマっているので、鯖でやってみてそれをアテに一杯やる、というのが金曜日夜のプラン。
翌日の土曜日は雨の予報だったこともあり、ちょっと飲み過ぎた。
朝起きると雨は降っていない。雨雲レーダーを見てもすぐに降る様子はなかった。
出遅れたが釣りに行こう。先週と先々週は近場の海でリール忘れたり手のマメがつぶれていたりと、満足な釣りはできていない。
防波堤から海をのぞくと、なにか生気を帯びているような気配を感じた。これが地合い?
気象条件の法則のほかに、行ってすぐが一番いい の法則もある。全く根拠はなく僕の思い込みだがそれだと今が絶好のチャンスな訳だ。
勇んで新作のマラブーパターンをキャスト。何度か繰り返すうちググッときた。かかったっ!?
ぐいぐいロッドが曲がり、悪天候でも来た甲斐があった、と思った次の瞬間バレた。
七つの橋のかかる島々、一度今年何回来たか数えてみてやろう。
前にここに来た時は夕まずめでやっと釣れたメバルだったが、その時ピンとくるものがあって準備したものがある。
それを試してみたいというのもあったので今回またここに来た。

いつもの四番目の島。ついてすぐに土砂降りになった。車で待機。
iPadでごそごそやっているうちに雨はあがった。レーダーでは雨雲は本土へ移っていた。
次の雨雲がやってくるまでの間隙を縫って。
今回のメソッド。季節や場所を変えても通用するのか?
ようやくリール直径より大きいのが(^_^;
ニャンコ先生、次回こそお土産を、なんとか(^_^;
今回準備してきたのは極小のシュリンプフライだった。メバルは潮に流されてくるごく小さなものを捕食しているように見えたからだ。
夕方、雨あがりの干潮。港ではニャンコ先生が獲物を待っている。
極小フライに一度掛かったが、バレた。そのあとは食ってこない。
僕は思いきって8X相当のティペットを長く継ぎ足した。その一投目、いきなりきた。そのあと三連続。しかし長いティペットはすぐ絡んだ。
ニャンコ先生は僕には期待していなかったのか、すでに寝床に帰ったようだった。
降ったり止んだり。カッパからじわじわと雨水が染み込む。
僕が着く前までもかなり降っていたらしく、釣り人はひとりもいない。午前9時過ぎに到着、その後すぐに満潮だったのでそのタイミングもあるかもしれなかったが。
それにしても今年のオフシーズン(もはやオフとは呼べないか?)よく海に来る。釣りが目的だとこの日で七回目。以前だったらオフシーズンの半年の間に行く回数を三ヶ月でこなしたことになる。まあ、前半はほとんど釣れていないし、まともに釣れたのは小さいメバルとアジ一匹づつだけだけど。
9月以降の島の釣りの大半が快晴だった。季節的には気持ちのいい頃だし、島で晴れれば景色の良さも相まって実に気分がいい。
しかし、海では 人間に気持ちいい気候の時は魚が釣れない の法則がある。その意味で、この日は期待は持てる。ただあまり降られると釣りどころではなくなるので、これは賭けのようなものだった。
#18。今までのソルトフライの中で最小。
マラブーパターンをくわえるような魚ではなさそうだった。追っては来るがそれだけだ。
それでもなんとかならないかと粘っているとまた雨が降り出した。
強い雨足に僕はギブアップして車に戻った。レーダーを見ると新たな雨雲が発生している。本土側の強い雨雲は峠を越えたようで、ほどなくして発表されていた警報は解除された。
この港も諦めた。結局またニャンコ先生の島に最後の望みを繋ぐ事になった。
若い釣り師がやってきた。こんにちわ、と声をかけてきたが僕はしどろもどろに返事した。
バレたあと、反応はない。海面に感じた生気も消えて静けさだけが残っている。
若い釣り師はすぐに帰ったが、それを機に僕もこの港を諦めた。
行ってすぐが一番いい の法則を信じるなら場所変えは有効だ。
三番目の島が目の前に見える港に移動した。防波堤から覗くと赤味を帯びた鯛のような魚体の魚が群れていた。
次々と発生する雨雲。集中力が持ちません。