其ノ四百九  八月の抵抗と断念
同じ条件でやっているつもりなのに、どこか同じではないようだ。
七つの橋の島、四番目。五月、六月、七月と、それぞれここでメバルを釣る事ができている。
八月こそ、もし釣り上げたら正真正銘の夏メバルということになるだろうけど、果たして釣れるのか?
このきびしい暑さにどこまで抵抗できるのか、キツイ釣りになるのは覚悟はしてきたのだが。
海とは言え、島とは言え、やはり相当の暑さが。
四番目の島でまさかの反応無し。満潮は逃したが、下げ潮の無難な条件のはずだった。同じような条件でも全く状況が違っているのは過去にも経験がある。結局は行ってみてキャストしてみないとわからないこともある。
まだ十時過ぎ、これから暑さが容赦なく襲いかかってくる。時間が経てば経つほどメバルを釣るのには不利になりそうだし、ここは直近の実績を諦めて三番目の島へ戻るべきだと、僕は腹を決めた。
ん〜、でもあと一回キャストしてから。泣きの一回は着水が防波堤の際すぎて、なんと糸を引っ掛けてしまった。無駄にフライをロストした。やっぱりやめときゃよかった。
今回もこのフライにお世話になります。 最後に釣れたカサゴっち。スミマセン(^^;)
この島釣行は渓流禁漁ラスト釣行の一週間前だった。お盆のあと、そうすぐに暑さが一段落とはならない。この一番暑い時期の日中にメバルを釣ろうと言う、去年までだったらおよそ不可能だろうと思っていたことをやろうとしている。不可能と思うというより、夏の日中にメバルを釣る発想がなかった。
ただ、五月、六月、七月と、釣果を上げてきたからには、八月に行かないのは逃げているみたいでそれだけはいやだった。こうなったら十二ヶ月、全ての月でメバルを釣ってみたい。それには一番難易度の高いそうな八月をクリアしなくてはならない。期待の持てそうだった四番目の島がダメだったのは痛いが、時間もないし、僕は三番目の島へ急いだ。
くっ! ちっちゃいけど、釣れてくれてありがとー。 次々ヒット。ありがたや〜m(__)m
移動した三番目の島にもその前の四番目の島にも釣り人はいた。
釣法や対象魚は違えど、すでに炎天下となった島で釣りをする人は、しっかりしたUVケアと熱中症対策は当然しているだろう。そして釣果も上げている。
かたや、真夏の海釣りはほぼ初めての僕は、それでも七月には釣ってるんだから、八月もイケるだろうとふんでいた。それがそうではないとすぐにわかったのだが。
時間は刻々と過ぎていく。干潮まであと1時間か。気温もまた上がった気がする。
三番目の島は潮流が激しい。防波堤の際にキャストすればすぐにラインが引っ掛かり、フライロストだ。だからどうしても防波堤から離れた場所にキャストすることになり、そんなだだっぴろい所にメバルの隠れるような物は当然ないよな。
僕はロスト覚悟で防波堤際にフライをキャストした。
ググッ! あ、やっぱりこれくらい攻めなきゃ食わないんだ。ただフライの沈下は待てない。早めに引っ張り始めるから表層の小さいメバル。それが次々と釣れだし、ついにはワンキャストワンヒットになってきた。
でも僕は暑いのに釣り上げられるメバルが徐々に気の毒に思えてきて、八月の釣りはこれくらいにしておこうと思った。
とは言え未練たらたら。まだ魚影を探してます(^^;)