其ノ三百九十四  初釣り 逆転、また逆転
年末釣り納めの二日後、今度は初釣りで恒例の七つの橋の島へやってきた。
まずは島の神社で初詣で。帰省の人たちだろう、ずいぶん人が多い。神社だけでなく島のあちこちがなんだか賑やかだ。
お参りを済ませ、次に昼飯。釣り納めの時と同様、ほぼ正午が満潮だから先に食べてから下げ潮を狙う。
神社近くの砂浜は誰もいない。そしてかなり強めの風が吹いていた。
今年も島の神社へ初詣でに。海の様子を気にしながら。
釣り納めの時とは明らかに違う強風。人に厳しい気象条件なら釣れるの法則が成立だ。
なによりも初釣りでこの島では過去にボウズはない。手堅い無難なところを選んだと言えばそうだが、なにしろ初釣りだから一匹も釣れないのはなんとしても避けたいのだ。

ランチを終え、初釣りお決まりの港の防波堤へ。
釣り人は二人。うち一人はよくこの防波堤で見かける人だった。
釣行ランチは気持ちいい砂浜で。風さえ吹いていなければ(^^:)
去年の初釣りももちろんここで。あの時は防波堤に何組もの釣り人たちがいて、僕を含めほぼ全員が釣れていた。
潮は違うが同じ一月二日だ。
二日前の釣り納めの苦戦も頭にはあるが、二日前とは別の島だし。
ソルトウォーターヘロンを結んでの第一投。特に反応はないが、不安もない。
しばらくキャストを続けていたら家族連れがやってきた。
この防波堤で釣れなかった初釣りは初めてか?
暮れなずむ港に鷺がたたずむ(>▽<) 結局こんな時間に。毎年同じようにはいかないな。
ほんの少しの時間やって家族連れは帰って行った。その間、家族連れはもちろん僕にも最初からいた二人にも一切アタリはなかった。午後の下げ潮はみるみる時間が過ぎていく。
(何年もここで初釣りやって釣れてたのに、今年は違うのか?) 僕はようやく現実を受け止める気になってきた。ここでは釣れない。このままではボウズだ。
最初からいた人たちもついに帰り支度を始めた。そしてとうとうこの防波堤は僕ひとりになった。これも初釣りでは初めてのことだ。
初詣でと初釣りの四番目の島を離れ三番目の島へ戻った。日没過ぎが干潮だからあと少ししか時間がない。
この島でのお決まりポイントでも反応がなかった。去年はここでも初釣りで釣っている。去年釣ったところがことごとく空振り。こうなると打つ手がない。
ここ何年か、初釣りと称して正月に出掛けているが、ついにボウズを覚悟しなければならない時が来たと思った。
今年の初釣りタックル、お疲れさま(^^:)
「鯛、釣れますか?」
「え? 鯛?、釣れん」
いつの間に居たのか、カップルの男性の方が(野性味たっぷりの面持ち) 強い押しで話しかけてきたので僕は答えた。
「メバル狙ってます」と言うとふむふむという表情をしてお礼を言って二人は去った。
なんだったんだ? しかしそこから流れが変わった。
二回続けてヒットとバラし。そして三回目、重たいかたまりがあおるロッドの先、水面から現れた。
この場面で過去最大!? とにかく初釣り無事完了(^^:)