其ノ三百九十六  干潮と風雨のまえに
天気が荒れるのはわかっていたが、その前に一匹釣って帰りゃあいいんだ、なんて気楽に考えていた。
実際に島に着いた時には晴れていた。これなら上下ともに防寒のギアを用意していたが必要ないな、と思っていた。でもその考えはほんの短時間しかもたなかった。

県の最南端の島に着いたのはお昼前。潮は干潮手前。きびしい条件ではあるな。
き、君の名は?(^^:)
ファジーウィング+ダートアクション。果たして? 初のインターミディエイト、導入。
干潮前に一匹、と思い昼食抜きで防波堤に立った。
潮流はゆるく、海面もかなり低いところにある。数投してどうにも釣れる気がしないので、別の長い防波堤へ移動した。
その防波堤の外海側はまだけっこう潮流が残っていた。
僕は去年のスーパームーンの大潮の日の釣行を思い出した。この日と同じ島、同じ防波堤で激しい潮流の中に大小のメバルが見えていたっけ。
ややや? 一気にアヤシイ雲行きになってきました。
ぱらぱらと雨が落ちてきた。雨雲レーダーを見ると薄い雲が島にかかっている。もっと雨を降らせる強い雨雲がもうすぐやって来る。風は強くないがこれも雨雲といっしょにやって来るに違いない。
去年のスーパームーンの時は潮流の中に見えていたメバルは釣れなかった。今回もその時に近い数のメバルが見えている。去年同様、この潮流の中のメバルは釣れないのか? 
同じ防波堤にはもう一人釣り人がいた。潮はすでにほぼ干潮になってしまっていた。それでもこの人は粘るようだ。

今回はフライラインはインターミディエイトを試している。前回までタイプVl でやってたのに極端にシンクレートを変え過ぎの気もしたが、どういう状況で使い分けるかもわかっていないから、とにかく使ってみる事にした。
ほかのシンキングラインと違いモノコアなのでヨレたりクセがつきやすいと思っていたが、予想よりはヨレやクセはつかず扱いやすかった。
釣りを終えてからの昼食。煮えたぎるカレーうどん(^^: この島のにゃんこ先生、今年もよろしく。
雨足と風が強まってきた。最初から居る人はまだやっている。
僕は島に来てから十数回くらいしかキャストしていないが、気温も急激に下がってきている。これは撤収も考えないといけないかもしれない。

完全に干潮。まだ昼だが薄暗い。僕はあれこれ付け替えたフライをダートアクションのフライにチェンジした。
やはりこれに頼らざるを得ないか。
なんとか一匹。紙一重の釣果だな〜。
思えば年末の釣り納めも初釣りも、最後の最後でダートのフライでなんとか、という状況だった。
その一匹の差は大きいのだがもうこれでないと釣れない、というのもちょっとな〜。

低くなった海面にフライを投じる。リトリーブはダートの動きをイメージして。
そしてリトリーブする手にグイッと重量が加わった。今回もこのフライに助けられた。
釣った直後に雨風が強まった。滞在時間2時間で帰ります(^^;)