2016 釣乃記
第拾九話  雨雲に向かい、川を巡る
どちらかと言うと、増水している事の方が多い印象だったから、シーズンの最後はそういう巡り合わせなのだと思っていた。
今回も台風は来ているが、このエリアに影響が出るのはたぶんまだ数日先になるだろう。
そして目の前の超渇水の流れ。戦意を喪失するなと言う方が無理というものだ。
この川で有望ポイントは一ヶ所。そこだけを狙う。僕は川を遡行しながら次行く場所を頭であれこれ模索し始めていた。
接近する雨雲に接近する僕(^O^;)
ふたつめの川に到着。先行者あり。そりゃそうか、八月最後の日曜日なんだから。
離れたところから入渓。1時間で退渓。反応無し。
同じ川の少し上流、ここもワンポイント。アブラハヤ一匹のみ。
みっつ目の川へ移動。ここでパラパラと雨が落ちだした。
まだ小雨だ。とにかく一匹釣ろう。僕は落ち着いて焦って急いだ。
ここでも魚は出なかった。僕は車へ戻った。
さて、どうするか?
よっつ目の川、雨は降っていない。それが良い事なのかどうか、まだわからない。
ここはゴギの川だ。目ぼしいポイントはしらみつぶしにキャストする。
遡行して気付いたが今までの川ほどには渇水ではなかった。平水やや低め、と言ったところか。
しかし王道ポイントでゴギは出てこない。いったいどこへ行ってしまっているのか?
ポツリ、と雨が落ちた。と思う間もなく大粒の雨が落ちだした。
とうとうきたか。
コロッケニャンコ先生っ! 早朝開店前なので裏口で失礼しますっ!!
とは言え雨が降らない訳ではなかった。ただ、釣りに有利になるのには間に合わない。これから降るのだから。
僕が最初の川に着いた時、雨雲は日本海沿岸に接近しつつあった。僕は雨雲に自ら近づいていた。あと何時間釣りができるかだ。
この川の唯一のポイント、反応無し。僕は流れを取って返した。
次の候補をふたつ用意した。車で来た道を引き返さなければならない。
水系を大きく変えるので、いくらか水があることを期待していた。
次の川へ移動移動! 急げ〜(>▽<)
きっとこの雨のあと、川は良くなるんだろうな〜(^_^;
釣行ランチ最後は定番冷凍炒飯と出前一丁で。
今シーズンはMSRで通した。
よっつ目の候補はあるにはある。しかしその川はまた西へ向かわなければならない。いったん離れた雨雲にまた近づく事になる。
おそらくその川はもう本降りになっているのではないかと思った。
結局ふたつ目もみっつ目も渇水だった。水系を変えてもあまり状況は大きく改善されることはなかった。去年のラストは増水の川だった。おととしは平水だったがその前の年は台風の増水の時だった。今年は台風の発生が少ない。これからあとはどれだけくるかわからないが、八月が少なかったからタイミング的に渇水で禁漁を迎えることになってしまった。
きっとよっつ目の川も渇水だろう。もし今降っていたとしてもそれはすぐに良い釣りに結びつく雨にはならない。
上空が木々に覆われているからまだなんとか釣りになる。さらにスポットを狙い撃ちながら釣り上がるがアブラハヤしか出てこない。
雨足が強まってきた。こりゃいくら木々に覆われていてもだんだん釣りづらくなってきた。
と、小さな穴のようなポイントでピシャッと水が弾けた。
あ、釣れた・・・釣れて呆気にとられた。小さなゴギだった。
その時僕は、カッパを着ていても涼しいことに気が付いた。
そうだ、帰りにニャンコ先生の店でコロッケ買って帰ろうか。
ラストの一匹は過去最少(>▽<;)