2016 釣乃記
第六話  ロングティペットの呪縛
「あ? 今日たしかスクールだったっけ?」
インターチェンジを降りた時に不意に思い出した。しかし集合時間や場所は全く知らない。僕はとりあえず決めていた釣行先へ向かった。
途中、道の駅に寄ると知った顔が数名居るのが見えた。ここが集合場所で今が集合時間なのだと、僕は悟った。
全く申し込みもしていなかったがスクールの飛び入り参加をさせてもらうことになった。
ワンコ先生アルバ氏! 受講者の様子を心配そうに見ておられます(^_^;
これは・・・やはりフィネスシステムの効果なのか? おそらくそうなのだと思った。Tさんとの釣りで僕は釣れずTさんは釣る。その違いはいろいろあろうけど、ひとつにきっとリーダーティペットの違いがあった。TさんのLDLとは違うがフィネスも長いティペットを使う。それを使ってこの効果。もっとも僕の場合、フィネスの要所である糸を折り畳むことはできていないので、単に長い糸を使った、くらいのレベルでしかない。それでも今までの釣りとは違う感触を得る事はできた。
そしてこの日釣りに来たもうひとつの理由、それは新しいロッドで釣る事だった。
もちろん、まだまだ課題は山積しています(^_^;
マエカワクラフトの新作ロッド、そしてシリアルNo.1000のモデルを注文していた。それが完成し、今回がそのロッドでの初釣行と言う訳だ。
7'6" #4 。奇しくも本流や準本流でフィネスを操るのにぴったりのスペックでもある。
その新しいロッドとさらに新しいネット。両方で記念すべき初釣果。もちろんフィネスシステムでも初と言う事になる。
でもまだ一匹目。少し上流へ移動してみることにした。
みなさん受講準備完了です。
T社Sさんのスクールは去年に引き続き開催。僕は去年はタイイングと夜の懇親会に参加した。
実釣スクールは初めてで、僕は多少緊張しつつ最初の手ほどきを受けた。

今年のヤマメ釣りシーズンでTさんとの釣行時に感じていたリーダーとティペットの長さの懸案。
長ければいいと言うものではないだろうけど、長いから有利なことは間違いなくある。
本流との合流点の支流側、合流点からさほど離れていない準本流と言う感じの流れ。
ひとつ目の理由、前日教わったフィネスを試す。左岸から右岸の岩盤の岸ぎりぎりを狙ってキャスト。
ラインが着水してだいぶ経ってからフライがふわりと落ちる。
こういう大場所でこんなふうに投げて釣れた試しがない。そんなうまくはいかないな・・・、と思ったら出た!
一発だった。長くラインを出していたので良く引いた。
(つ、釣れちゃった・・・。)
各人の受講の様子。それを見るだけでも参考になる。
スクールの翌日、T社Sさんのタイイングデモとキャスティングの日でもあったが、僕はロッドを携え北部へと向かった。
理由はふたつ。天気は上々、というか暑いくらいだ。そもそも前日のスクールは本当は釣りに行くつもりで出掛けていた。改めてその場所へ向かう。
スクールの時はそぼ降る雨がいい感じだったが、翌日のこの日は直射日光がいかにもヤマメの警戒心を増長させているようで、始める前から苦戦が予想できた。
Maekawa craft serialNo.1000 7'6" #4 "misago" 入魂完了!
リーダーティペットが長くなればなるほど扱いがむつかしくトラブルも増える。今回のスクールではキャスト以前の手扱いから教わり、実践でのスムーズなやり方を知る事ができた。
システムはフィネスとLDL。僕は比較的初心者向けのフィネスを教わった。と言ってもキャスティングだけでほとんどの時間が過ぎてしまったが。
長いティペットならドラグがかかりにくくヤマメに食いつかすのに有利なのはわかる。
しかし僕は自分の釣りで本当にこのシステムを使うのか・・?
何年ぶりかでお殿様カエル様とご対面(^_^;

数ヶ所流してみた。すぐに数匹を手にした。なんだか出来過ぎのような気がする。
それからあと、急にキャストがうまく飛ばなくなった。フライを見てみると長いティペットが盛大に絡んでいた。これは切ってやり変えたほうが早い。
ティペットを直してキャスト。また飛ばない。なんだ? 見るとティペットがまた盛大に絡んでいる。う〜む、これはなかなか手ごわいな。
僕はひと呼吸置いて、ティペットを切った。
なんとか遡行できるが、ぬるぬる滑りまくる。