2016 釣乃記
第四話  本流と支流の宿題
僕は焦っていた。何回ヤマメが出てきたと言うのか?
いつもならここまで失敗する事はないのに。立て続けにフッキングをミスってこれじゃあ後のTさんに申し訳ない。
そう思いつつ次のポイントへと移る。今度は丁寧に岸際からクロスで投げてドラグ回避。で・・・ない。いや出たっ! 空振りっ!
こういうこと、たしか前にもあったな。
気を落ち着けて、もう一度キャスト。もう出ないよな・・・、と、出たっ! 空振りっ!!
川原の菜の花畑で作戦会議!?σ(^_^;)
結局下流では反応はなく、ライズ目撃ポイントでキャストすることにした。Tさんと僕が交互に攻めるが目撃ライズは沈黙したままだった。
「ライズ見た時にすぐやるべきやったなー」とTさん。そうだったかも知れないがその逆だったかもしれず、こればっかりはやる前にはわからないことだ。ただハッチがないのはどうしても前回の釣りの再現の予感がしてしまう。
僕たちは上流を目指して南下することにした。走行中にTさんが道路から見えるプールでライズしたのを発見。よく見つけたなー。うまく車が停めれて川へ下りれる場所だったので、そこもやってみることに。雰囲気はいい。しかし反応はなかった。小さな虫が飛んではいるがこれも散発的だった。
やっとの一匹。どうなってんだ??
僕たちはその後数ヶ所巡って、比較的大きな支流の合流点に流れ着いた。
しかしここでもハッチはなく、活性の高いハヤを釣って終わった。

「このまま支流を釣り上がってみる?」とTさんが言った。
本流一本に絞る、という最初の意気込みは崩れてしまうがいたしかたない。
支流に入ってすぐにTさんが良型を釣った。よし、ほんじゃあ僕も釣らせてもらいますかね?
本流は広いな〜。Tさんが小さいっ!
Tさんとの二回目の釣行は本流一本に絞る事にした。
TさんのVolvoで一気に下流域に向けて北上する。途中何ヶ所か有望ポイントを見て回るが、虫が飛んでいる様子は見られない。前回のM川氏との釣りもハッチの有無が明暗を分けた形だ。この日もハッチが大きく影響するのは間違いない。
最初の有望ポイントで、早速ライズ発見。僕たちは観察を続けたがその後ライズはない。いったん少し下流へ下り、フライを流してみることにした。
七,八回は合わせ損なったか?
これじゃあもう釣り人としては廃人同様じゃないのか? 
支流の釣りなら本流よりも得意分野だというつもりでいただけに、余計に堪えた。

本流とは対極の小さな溜まりでフライにヤマメがくいついた。僕は焦りに焦ってフッキング。小さなヤマメはその勢いで飛んできて、僕の顔にべちゃっと当たった。
なんだかいっぺんに宿題ができたな〜。
Tさん 支流で早速良型キャッチ。
そして僕は焦っていた。何回ヤマメが出てきたと言うのか?
いつもならここまで失敗する事はないのに。立て続けにフッキングをミスってこれじゃあ後のTさんに申し訳ない。

ドリフトは決して悪くないと思う。しかし出てもフッキングしない。スレているのか? 
次々とカゲロウが飛び立っている。ハッチが始まる時間帯に出くわしたようだ。僕はさらに焦り始めた。
一年ぶりの岩魚茶漬け丼。やっぱりうまいわ〜。